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タイプR第2弾

ホンダは1992年にフラッグシップスポーツのNSXにタイプRを設定。タイプRのRはRacingで、ホンダはインテグラタイプRがデビューした時のプレスインフォメーションでタイプRについて、「乗る人のスポーツマインドをどこまでも高揚させる、鋭い運動性能を持つクルマをつくりたい…。長年、世界の頂点のレースに挑み続けてきたホンダには、そうしたクルマづくりへの情熱が脈々と息づいています。TYPE Rは、ホンダの熱き情熱を具現化する取り組みのひとつです」(原文まま)と説明している。

1992年に最初にして究極のNSXタイプRがデビュー

ホンダがレースで培ってきたレーシングスピリットが惜しげもなく注入されたモデルだ。そしてタイプRといえば、第1期F1のRA271のアイボリーホワイトをオマージュしたチャンピオンシップホワイトのボディカラー、赤いエンブレム(Hマーク)、レカロシート、チタン製ショートレンジシフトノブもユーザーの心を掻き立てるスペシャル要素となっている。

レーシングマシンのクルマづくり

レーシングカーは速さを追求するためにエンジン、駆動系、足回り、ボディなどにありとあらゆるチューニングが施されている。お金も湯水のように使い、妥協は一切ない。あるのは勝つための速さを手に入れること。超高度な技術もふんだんに盛り込まれている。

しかしレーシングマシンを作るのは簡単。今でこそF1でさえエンジン、トランスミッションなどの年間使用可能数が決められているが、かつてはレースごとにエンジン、ミッションを交換するということも珍しくなかった。極端な話、F1の場合1レース300km+α(予選、フリー走行など)を走り切れる耐久性があればいい。

レーステクノロジーを盛り込みながらも市販車としての信頼性を充分確保するのは難しい

しかし、ロードカーの場合はそうはいかない。高性能を追求しながらも耐久性の確保は当たり前、著しく快適性を損なうこともできない。レーシングカーづくりが簡単といったのはそういう意味だ。

インテグラタイプRはさまざまなレーシングテクノロジーが投入されているが、レーシングカーではない。ロードカーとしての耐久性、最低限の快適性とレーシングマシン並みの速さという相反する要素を高い目標のもと突き詰め、せめぎ合った結果登場したもの。

端正な顔立ちと前後の前後のエアロパーツで武装した初代インテグラタイプR

F1エンジンを凌駕するピストンスピード

インテグラタイプRには当時ホンダの持てる技術が惜しげもなく投入されているが、その筆頭がエンジンだ。

インテグラタイプR専用に開発されたエンジンはB18C 96 SpecRという型式。クルマ好きを喜ばせるネーミングセンスが素晴らしい。ベースとなったのはノーマルインテグラの最強の1797cc、直4DOHC VTECエンジンのB18C(180ps/7600rpm、17.8kgm/6200rpm)。リッター100psを超える超高回転型エンジンだが、ホンダはさらに高回転化して96 SpecRでは最高出力200ps/8000rpm、最大トルク18.5kgm/7500rpmの超ハイスペックに仕上げている。なんとタコメーターは1万rpmまで!!

ターボの場合はブーストを挙げるなどしてパワーアップは簡単だが、NAエンジンでパワー、トルクを挙げるには排気量アップか高回転化しかない。それに対しホンダは高回転化を選択。96 SpecRは許容回転数をB18Cの8000rpmから8400rpmに引き上げた。そしてその時のピストンスピードは24.4m/秒をマーク。これは当時のF1エンジンをも凌駕。

珠玉の回転フィールと獰猛なまでのスペックがB18C 96 SpecRの魅力
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とにかく凄い数のチューニング
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この記事のライター

市原 信幸
市原 信幸

市原 信幸

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