SNSで最新情報をチェック

とにかく凄い数のチューニング

インテRについて語れば1冊本が出せるくらい濃いためここでは詳細は割愛するが、珠玉のB18C 96 SpecRには高圧縮比の実現、吸排気損失低減など高出力化のためのチューニング、またピストンに4本の溝を設けて潤滑性の向上と低フリクション化など、ありとあらゆるチューニング、改良が施されている。

これは高いコーナリング性能を実現するために改良されたサスペンション、高出力化したエンジンに対応させたトランスミッションの改良、しっかりとした走りを実現させるためのボディ剛性強化などもハイレベルに手が入れられている。

コーナリングパフォーマンスもレーシングカー並み

重くなった以上に軽量化

高性能化したインテグラタイプRだが、重量増という大きな問題が立ちはだかる。高性能化すると重量が増すのは当然だが、インテグラタイプRの場合、1.8L、NAエンジンということで大排気量モデル以上に重量増がネガとなる。

最も重量増となったのはレカロシートで6.647kg増、以下ハードサスペンション&ハイグリップタイヤの5.500kg増、パフォーマンスロッド追加&アルミ化の3.440kg、リアスポイラー追加の2.900kgなどなど合計で25.049kgにも及んだ。

しかしホンダは凄い。エアコンオプション化で18.7kg減を筆頭にフロアのメタルシート廃止の10.665kg減、軽量アルミホイールの採用で5.2kg減、エンジン、排気系軽量化で3.329kgなど重量増を大幅に上回る65.017kgの軽量化に成功。

このやりだすと止まらない徹底ぶり、回りの想像をはるかに凌駕する突き抜け感がホンダがユーザーを魅了する要因だったと思う。今のホンダが微妙と言われるのは、企業として大きくなりすぎて、かつての輝き、ワクワク感がなくなっているためだろう。

赤いレカロシートは重量増になっていたが、それに勝効果がある。クーペは黒も選べたが、セダンは黒のみ

高回転フィールが最高

筆者は自動車雑誌『ベストカー編集部』の編集部員として初代インテグラタイプRと対面。そのため所有はしていないが仕事関係で何度もステアリングを握る機会に恵まれた。役得であると同時に、一般の方々ではできないような貴重な経験をさせてもらった。シビックの1.6L、VTECで高回転NAエンジンの気持ちよさに度肝を抜かれたが、インテグラタイプRのB18C 96 SpecRで受けた衝撃はその比ではなかった。高回転といえば9000rpmまで回るS2000のF20C、8000rpmまでモーターのように回るRX-7(FD3S)の13B-REWにも衝撃を受けたが、回転フィールと回転とともに高まるパワー感、官能性という点ではB18C 96 SpecRが一番。しかし、これまで筆者が実際に乗って最高のエンジンを感じたのは、レクサスLFAの4.8L、V10(1LR-GUE)だが、これはスペシャルすぎて前出のクルマたちと比べるべきものではないだろう。

1万rpmまで刻まれたタコメーターとイエローの指針がスパルタン
次のページ
ユーザーはないものねだり
icon-next-galary
icon-prev 1 2 3 4icon-next
関連記事
あなたにおすすめ

この記事のライター

市原 信幸
市原 信幸

市原 信幸

おとなの自動車保険

最新刊

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌『おとなの週末』。2025年9月16日発売の10月号では、学生街…