「10月13日」。今日は何の日でしょう?答えは「麻酔の日」!1804(文化元)年に世界で初めての全身麻酔による外科手術の成功にちなんで、記念日に制定されました。その後、全身麻酔による外科手術が成功した事例は、1846年のアメリカでの口腔外科手術です。西洋医学が発達するヨーロッパではなく、日本で40年以上も早く全身麻酔による外科手術を成功させたのです。
「人の命を救いたい」という思いが生み出した麻酔薬
文化元(1804)年10月13日、紀州の医師・華岡青洲(1760〜1835年)が、世界初の全身麻酔による外科手術を成功させたことにちなんで、日本麻酔科学会が旧暦の日付けのまま、10月13日を「麻酔の日」として記念日に制定しました。手術と言えば西洋医学、西洋医学なら世界初はすべてヨーロッパかと思いきや、日本人医師が江戸時代にこんな快挙を成し遂げていたとは驚きです。
江戸時代、京都で医学修行をしていた華岡青洲は、東洋医学の一種である古法のほかオランダ流外科を修めました。その中で、手術中に患者が受ける耐え難い痛みを和らげ、「人の命を救いたい」と考えた青洲は、麻酔薬の開発を始めます。青洲が「動物実験」「人体実験」など、どんな実験を行なったかについての詳細を裏付ける資料は見つかっていないとされていますが、研究を重ねた結果、全身麻酔薬「麻沸散(別名:通仙散)」という麻酔薬を完成させました。