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2代目パジェロのデザインを忠実に再現

三菱を代表するクルマであるパジェロデザイン、技術を落とし込んだ軽自動車として1994年12月13日にデビューしたのが初代パジェロミニ。今からほぼほぼ31年前だ。三菱のミニと言えば現在はデリカミニ。2023年5月にデビューして瞬く間に大ヒットし、2025年10月から2代目が販売されている。このデリカミニは、本家デリカD:5とはまったく違うオリジナルのデザインが与えられているが、初代パジェロミニは2代目パジェロのショートボディをそのまま縮小したようなデザインが与えられていた。

真横から見ると本家パジェロのショートそのもののデザイン

ボディサイズは本家の全長3985×全幅1695×全高1800mmに対し、全長3295×全幅1395×全高1630mm。軽規格というボディサイズの制限があるなか見事に2代目パジェロのデザインを再現している。縮尺率を計算してみると、全長が83%、全幅が82%、全高が91%ということで、初代パジェロミニは本家よりちょっと背が高いプロポーションとしていたことがわかる。特に真横から見たデザインは本家パジェロそのもの。この再現度の高いデザインがパジェロミニの人気の要因となったのは間違いない。

グリルガードが装着されたフロントマスクはいかにも1990年代という風情

パジェロミニ専用のフレーム

パジェロミニを登場させるにあたり三菱が最も頭を悩めたのがパワートレーン。パジェロの名を冠するからには後輪駆動とするのは必須ながら、本家パジェロのシャシーをパジェロミニに流用することは不可能。軽乗用としてミニカ/ミニカダンガンはあったがどちらもFF(前輪駆動)。しかし、後輪駆動の軽自動車が存在したのだ。それは軽商用のミニキャブ/ブラボーだ。パジェロミニはミニキャブ/ブラボーのパワートレーンを流用することからスタートしたという。しかし、“乗用車感覚で乗れる本格RV”というパジェロのコンセプトを踏襲するためには商用ベースでは満足した性能が得られていないということで、最終的にはラダーフレームにものコック構造を組み込んだビルトインフレームを専用開発。

本家パジェロのような迫力はないが、丸目が愛くるしいパジェロミニ

ちなみにダイハツはJMS2025に次期コペンと思われるデザインコンセプトカーのK-OPENとそのランニングスタディモデルを出展していたが、ランニングスタディモデルのFR(後輪駆動)のパワートレーンは商用車のハイゼットから流用している。

パジェロミニ専用に開発されたビルトインフレーム

5バルブの高回転型エンジンを搭載

初代パジェロミニに搭載されたエンジンは、排気量659ccの直列4気筒SOHC(最高出力52ps/最大トルク6.0kgm)とDOHCターボ(64ps/9.9kgm)の2種類。ターボはミニカダンガンで登場した5バルブエンジンがおごられた。この5バルブエンジンは許容回転数が8000rpmで、最高出力は7000rpmで発生する高回転型。しかしパジェロミニでは、ミニカダンガンに比べて最大トルクの発生回転数が500rpm低い3000rpmとされていた。これは、車重があり、オフロードなど低速で走るケースが考慮されていた。

直4の5バルブエンジンは7000rpmで63psをマークする高回転型

直4は直3に比べて低中速トルクが出しづらいという面はあるが、回転フィールの滑らかさでは断然有利で、質感の高い走りを実現するには打ってつけ。特に高回転型の5バルブエンジンは、クロカンタイプというキャラクターとは反して、街中で高回転まで回して走る気持ちよさがあった。ただ、回すぶん燃費も悪く、自動車雑誌『ベストカー』の燃費テストでは実燃費は10~13km/Lと当時の軽自動車としてはよくなかった。

組み合わされるトランスミッションは5MTと3AT。ATはたった3速? とショボく感じるが、軽のATは3速が当たり前だったしイージーに走れるという点では設定されていたことが貴重だった。ライバルと言われていた2代目ジムニーもパジェロミニのデビューした1994年に3ATを追加。

ツートーン、背面タイヤも雰囲気抜群。このままのデザインで今登場しても絶対売れそう
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後輪駆動の2WDと4WDをラインナップ
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この記事のライター

市原 信幸
市原 信幸

市原 信幸

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