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今の日産に必要なクルマ

910型ブルーバードは販売面で大成功を収め、510型と並びブルーバードの名車としてオールド世代(2025年時点で60歳以上)の記憶に残る一台だ。成功した要因は、デザイン、性能、コストパフォーマンス、CMキャラクターなど様々な要因が絡んでいるのだが、日産がブルーバード復活に向けて、予算を惜しまず開発してさらに進化させ続けたという点が最も大きい。素性がよく魅力的な性能でデビューしながらもデビュー後にまったく手を入れず普通のクルマに終わってしまったモデルはいっぱいある。

自動車雑誌ベストカー12月号で展開されたスクープページ。デビュー前から910型ブルーバードへの期待の高さのあらわれだ

910型ブルーバードを現代の技術で復刻させても売れないと思うが、原点回帰のコンセプト、ニーズを的確に察知した商品展開、常に進化させるなどは今後の日産車に必要な要素だと思う。

現在苦境に立たされている日産にとって最も必要なのが910型のブルーバードのようなクルマではないだろうか。

目立ちはしなかったがワゴンも密かに人気があった

【6代目日産ブルーバードハードトップ1600GL主要諸元】
全長:4360mm
全幅:1655mm
全高:1370mm
ホイールベース:2525mm
車両重量:990kg
エンジン:1595cc、直列4気筒SOHC
最高出力:95ps/6000rpm
最大トルク:13.5kgm/3600rpm
価格:108万1000円
※1979年11月デビュー時のスペック

センターピラーレスの4ドアハードトップを1982年に追加して人気が加速

【豆知識】
3代目となる510型ブルーバードは1967年にデビュー。2代目の410型はイタリアのカロッツェリアであるピニンファリーナがデザインして話題になったが、たれ尻のリアが大不評。その後を受けて登場したのだが、デザインコンセプトを一新して日産社内でデザインされた。直線基調ながら彫りの深さを持ち合わせたスーパーソニックラインが特徴で、若者御用達となった。サファリラリーの大活躍も販売を大きく後押しした。

ブルーバード=510型というクルマ好きは70歳前後に圧倒的に多い

市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。

写真/NISSAN、ベストカー

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市原 信幸
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