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全国のラーメンの名店が出店する「新横浜ラーメン博物館」(ラー博)は、年間80万人以上もの客が訪れる“ラーメンの聖地”です。横浜市の新横浜駅前にオープン後、2024年3月に30年の節目を迎えましたが、これまでに招致したラーメン店は50店以上、延べ入館者数は3000万人を超えます。岩岡洋志館長が、それら名店の「ラーメンと人が織りなす物語」を紡ぎました。それが、新刊『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』(講談社ビーシー/講談社)です。収録の中から、 福岡・久留米の“呼び戻しスープ”で人気を博した「大砲ラーメン」を紹介します。

『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』(講談社ビーシー/講談社、1760円)
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技で受け継がれた創業以来の注ぎ足しスープ

とんこつラーメンの発祥の地、福岡県久留米市で、地元に根づいた繁盛を続けている銘店、それが「久留米 大砲ラーメン」です。新横浜ラーメン博物館30周年企画「あの銘店をもう一度」第8弾として、2022年11月25日から3週間ご出店いただきましたが、最初の出店は、2009年12月でした。

二代目店主の香月均史(かつき・ひとし)さんとは、出店いただく前からお付き合いがありました。博多の「ふくちゃんラーメン」の卒業が決まり、「このお店しかない!」と思い、お声がけさせていただきました。

「大砲ラーメン」の特徴である“呼び戻し”という技法により、スープは、創業以来の注ぎ足し仕込みでした。経験を積んだ限られた職人しか作ることのできない「大砲ラーメン」の命です。

【「大砲ラーメン」過去のラー博出店期間】
・ラー博初出店:2009年12月19日~2013年1月14日
・「あの銘店をもう一度」出店:2022年11月25日~2022年12月15日

ラー博出店時の「大砲ラーメン」。長い行列ができた=2009年

とんこつ発祥の地は福岡・博多でなく、久留米

今や誰もが知っている「とんこつラーメン」――。けれども、1980年頃にさかのぼると、九州以外では、あまり知られていなかったのです。その後、とんこつラーメンの認知度は高まり、「とんこつラーメン=九州ラーメン」というイメージは、全国に定着しました。その背景には、福岡・博多の長浜を中心とするとんこつラーメン店が首都圏に進出し、「極細麺」「替玉」「バリカタ」など、それまで知られていなかった“ラーメン言葉”とともに、独特の食文化として伝わったからです。

久留米市はとんこつラーメン発祥の地とされる

その結果、とんこつラーメンの発祥地は「博多」と思われている人が多くいますが、「とんこつラーメン=九州ラーメン」は、同じ福岡県ですが県南西部の久留米市の発祥とされています。

ラー博30周年企画での出店では創業当時の味でこってり系の「昔ラーメン」が人気を博した
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「大砲ラーメン」は1953年、屋台で創業...
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