「全日本さば連合会」広報担当サバジェンヌこと池田陽子さんによる「サバジェンヌが行く〜至福の鯖百選〜」。今回は、新高円寺にできた日本初の「サバのから揚げ専門店」のお話。その実力のほどを食べに行ってきました。
サバを愛する店長が手掛ける半身のから揚げ
から揚げ好きのサバファン、喜びたまえ! なんと日本初の「サバのから揚げ専門店」がオープン!! サバらしい!!!
2026年10月17日、新高円寺にオープンした『上ガル』。メニューは「サバのから揚げ」のみ。随時、「サブ」でサバ以外のお魚のから揚げを提供するものの、キッパリ「肉のから揚げ」はない。
「魚が好きなんです」と語るのは店長の高石礼子さん(※高ははしご高、以下同)。髙石さんの妹で、オーナーの天坊智子さんも魚好き。「自分たちがおいしいと思う魚料理を提供するお店をつくりたい」という夢があったのだそう。
何かお店の看板になるメニューを、と思案したときに、最初に思いついたのは「大好きなフィッシュ&チップスでした」と高石さん。魚の揚げ物で勝負してみたい。ならば、何を揚げようか。そこに降臨したのが「サバ」である。
高石さんも天坊さんももともと「大のサバ好き」。「焼いても煮ても締めてもおいしい。魚の世界においてサバほど『何をしてもおいしい』魚って、ないと思います」と高石さん。
「しかも栄養価が高い!! 中性脂肪軽減にもいいし、記憶力向上にもいい! 子どもからご年輩の方まで食べやすい! 万人が受け入れやすい魚じゃないですか。思えばわが家では子どものころから、サバの味噌煮が定番でした。それを次の日、必ず焼いて食べるんですけど、これがまた香ばしくて最高! あぁおいしかったなあー」
……いきなり幼少のみぎりに遡るほど「サバへのアツい想い」がほとばしる高石さん。ともかく愛するサバを使って「インパクトのあるサバ料理を作りたい」と考案されたのが、「サバの『半身』のから揚げ」である。
は、半身!?
「切り身のから揚げだと、見た目が竜田揚げのような『お惣菜』風になりますが、半身であれば『サプライズ感』があるんじゃないかと思ったんです」と高石さんが説明する。
フリットではなく、から揚げになったのは、「フリットでは衣でサバの皮目が見えないから」。「パッと見、サバだとわかったほうがよくないですか?」と高石さん。「縞目、見えたほうがいいですよね」
え? から揚げでも衣で見えないと思いますけれども……???
かくしてから揚げの命ともいえる「衣」は、そんな要望も満たすハイスペックなものを開発しなくてはならなかった。
ここで助っ人現る! 本連載でもご紹介した荻窪の挽肉料理専門店『東京Qeema』のオーナーシェフである松井政貴さんだ。
東京Qeemaでは日替わりメニューなどで販売している鯖キーマ、鯖ガパオ、サバしゅうまいなど、サバを使ったユニークなメニューが大好評。
次々と従来のサバ料理にありがちなイメージを覆すメニューを生み出す松井さんは、もともと全国に展開するビアレストラン『キリンシティ』で長きにわたり、商品開発を担当していたお方。
なにせ、ビールに合う料理として「サバ料理フェア」も手掛けた実績がある。まさに「サバのから揚げ化」作戦のアドバイザーとして、うってつけの人物だ。
サバのから揚げ用に目指した衣は「クリスピーでサクサク」。「一般的な唐揚げはしっかり衣がコーティングされて、ザクザクした食感のものが多いように思います」と高石さん。「サバの身はフワッと、衣はカリッとした仕上がりのから揚げを目指しました」。
松井さんの指導のもと、粉と水のバランスを徹底的に試行錯誤。しかも「皮目が見える」仕上がり。「かなり大変な作業でした……」と高石さん。
来る日も来る日も、粉と水の配合を変えてはチーム一同、試作品を食べ続けた結果、「コレだ」というものができあがった。
切り目を入れた半身のサバに渾身の衣を塗り、170℃の油でカラリと揚げて完成。「サバカラ」と命名した。
「軽やかな仕上がりで、ボリュームがあるのにアッサリいただけます。自信作です」と高石さんが胸を張る。
いざ、自信作をいただきましょう!







