親しみやすくシンプルながら、店舗それぞれのこだわりが詰まった「親子丼」。東京都内の本当に美味しい親子丼を、グルメライターが厳選しました!一度は食べたい!そんなプロの技をとことん感じる6店舗をご紹介します!
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子どもも大人も、あまり嫌いという人がいない親子丼。
おうちでも気軽に作れる反面、どこで食べても変わらないでしょ、と思っている人もいるかもしれません。
しかし侮ることなかれ。どんな料理も追求すれば極まれり、と感動できる親子丼がここに集結です。
東京都内のイチオシの親子丼がうまい店をご紹介します!
撮影/小澤晶子、大西尚明(泰然、文鳥) 取材/肥田木奈々
泰然 [新宿御苑前]
新宿御苑の鶏料理の名店は、月木金のみランチでも親子丼が食べられます。
親子丼は卵かけご飯の延長、火が通り過ぎないようフタをせずに作り上げます。比内鶏のプリッとした旨味と、甘さ控えめのかえし、卵は比内1個、赤鶏2個の、合わせて3個も使用。つゆがしみたご飯も最高です。
他にもそぼろ丼や温玉つくねなどがおすすめ。
▲卵はなるべく空気が入らないよう白身を持ち上げながら切るように混ぜ、鍋に入れたら蓋をせずに仕上げる。すると気泡が入らず、白身と黄身がマーブル状になったとろとろの半熟玉子が完成する。
比内地鶏の卵&赤鶏の卵
比内地鶏の卵は甘みと濃厚さが特長。赤鶏はバランスいい旨み
[酒]ビ生小500円~ 焼グラス600円~、ボトル4000円~ ワなし 日1合900円~ [その他のメニュー]昼親子丼とそぼろ丼の2種のみ 夜比内地鶏の串380円~、もものたたき850円、だし巻き玉子780円など
文鳥 [亀戸]
テレビでも紹介された有名店はこちら。究極の親子丼というだけあって、まさに絶品です。
肉はジューシーな大山どりを使い、岡山県産の産みたて卵でとじています。そして特筆すべきは6種類ものだしを使用したかえし。
日高昆布や宗田鰹などを配合して生み出された至極の一杯です。また、薄口醤油と九条ネギの京親子丼もお酒の〆にぴったり。
▲「大山どり」を備長炭で両面にほんのり色が付く程度に焼き、たたき風にしたものを使う。表面にごま油を塗って炙ることで香ばしさが加わり、深みのある味わいに。
岡山県坂本産業こだわり卵
臭みがなく深い味わい。生でも美味しいので卵かけご飯でも◎
[酒]ビ生580円~ 焼グラス650円~、ボトル3200円~ ワグラス480円~、ボトル2900円~ 日グラス650円~ [その他のメニュー]昼鶏そぼろ丼、黄身のせ850円 夜自家製卵白豆腐550円、鳥から半身揚げ1480円など
3杯目の親子丼は人形町の花!
人形町 花 [人形町]
日曜も営業している人気のお店は人形町にあります。
ここの親子丼は鹿児島の赤鶏さつまを使用しているのですが、もも、せせりやハツとさまざまな部位が入っているのが特徴。
真ん中に乗った黄身をつぶしたり、柚子胡椒などの薬味を追加したり、鳥出し汁でお茶漬けにしたりと、1杯の親子丼でいくつも楽しみ方があってまさに玉手箱です。
▲大きめに切った鶏肉と玉ネギを甘めの割り下で煮て卵でとじる。
京都府鬼の卵
赤パプリカを飼料に配合したオレンジ色の卵黄が魅力だ
[酒]ビ生580円、焼グラス480円~、ボトル3280円~ ワグラス500円、ボトル3980円 日1合870円~ [その他のメニュー]昼鳥あられ丼800円など 夜もも塩焼き880円、ぼんじり680円、カツ煮880円など
日本橋ぼんぼり[水天宮前]
中央区日本橋のちょっとおしゃれなお店の親子丼は多いときで1日120食出ることもあるそう。
卵でとじない親子丼は、炭火焼にした大山どりの風味が豊かで、横に添えられたふわふわとろりとしたスクランブルエッグさながらの半熟玉子がそれをさらに引き立てます。
夜は地鶏料理と一緒にお酒を楽しめます。自家製タルタルのチキン南蛮も美味。
▲地鶏のもも肉を炭で豪快に蒸すように燻しながら7~8分焼く。味付けは塩のみ。最後に鶏脂を入れてさらに炭の香りをまとわせる。
国産の卵
築地から毎日仕入れている国産の卵は価格も味も安定している
[酒]ビ生620円~ 焼グラス500円~、ボトル4200円~ ワグラス600円、ボトル3000円 日1合750円均一 [その他のメニュー]昼炭火焼地鶏カレー丼900円など 夜揚げ長芋850円、みやざき地頭鶏の炭火焼2300円など
銀座が沸いた!名店が誕生させた親子丼専門店
親子丼専門店 ○勝(まるかつ)[銀座]
もともと焼き鳥屋で出していた親子丼が人気となり、専門店としてオープンしたのがこのお店だそうです。名古屋コーチン、信玄鶏の2種の親子丼があり、特上と塩味があるため選択肢は4種類。自家製の割下とスープで味付けした特上は、口に入れるとコクと甘みが押し寄せます。塩味は鶏スープにダシ、塩コショウで素材の味を楽しみます。
茨城県ひたち農園奥久慈卵
濃厚な黄身の旨みは生でも調理しても美味。料理人に人気の卵
[酒]ビ500円 焼なし ワなし 日180ml 1200円 [その他のメニュー]昼夜特上塩親子丼1460円、信玄鶏の親子丼1000円、サラダ340円
根津 鶏はな [両国]
両国駅からすぐのお店では東京軍鶏の親子丼が堪能できます。親子丼の割下は甘すぎずキレのある味で、脂肪が少なく弾力ある赤身の味をうまく引き出しています。
ちょっと変わった親子丼は、しゃもとフォアグラの濃厚な味わい。こちらもぜひ挑戦してほしいメニューです。夜はコースかセットでの食事となり、焼鳥やすき焼きも味わえます。
東京都カトウファームの卵
天然水や天然酵母入りの飼料のほか衛生環境を徹底している
[酒]ビ生550円~ 焼グラス550円~、ボトルなし ワグラス670円、ボトル3000円~ 日90ml340円~ [その他のメニュー]昼東京軍鶏そぼろ親子丼1290円など 夜東京軍鶏焼鶏1本300円~、東京産かぶのうま漬け450円、東京軍鶏焼鶏コース3000円~など
魅力にハマった! 半熟卵が生み出す一体感!
編集武内「親子丼は好きなんです。卵も鶏肉も味付けも。ただ半熟卵がちょっとだけ苦手」
ライター肥田木「うそでしょ、あのキラキラ半熟がいいのに!生卵(何なら殻ごと)でも飲み込みそうな風貌なのにねえ」
そんなふたりの親子丼食べ歩き。座談会で振り返ります!
肥「実は親子丼って今までそんなに食べなかったけど、今回ハマった。卵でとじる技術って単純そうで奥深いんだな~」
武「そう、食感をどう仕上げるかを計算した火の入れ具合、汁の味わい、ご飯とのバランス、相性を考えた卵の種類と量。この調和が取れた時に美味しい!と感じるのだと思いました。もちろん鶏肉の銘柄やどの部位を使うかも秘訣だけど、その上で卵の魅力をいかに引き出すかに旨さが集約される気もします」
肥「卵と鶏肉の両方が主役だからこそ、互いの味を生かすために割り下も甘めにするとかキリリとした印象にするとか、いろいろだったよね。食材も、鶏と卵だけで勝負する『泰然』などもあれば、『鶏はな』のようにゴボウのササガキを入れるとか店の個性が出てた」
武「僕は卵と鶏だけの味に集中したいから『泰然』のとろとろ卵と比内地鶏にグッときた」
肥「半熟卵苦手なくせに~」
武「それが親子丼を食べ続けて思ったんです。蕎麦屋とかでよく出る火がしっかり通った親子丼も嫌いじゃないけど、半熟の柔らかい食感が全てを包み込む一体感が美味しいんだって」
肥「私が思ったのは『文鳥』や専門店『○勝』のように食材や作り方を研究し尽くした入魂の1杯が増えたということ。親子丼にかける店主の想いも一緒に味わいたいよね」
武「研究した1杯なら『花』もそう。ハツとかせせり、そぼろも入って、〆にお茶漬けにするのが面白い。人気店の激戦区で頑張る姿勢もいいです」
肥「卵でとじないタイプの『日本橋ぼんぼり』も断然アリ。『その手もあったか』と感心!」
武「今回は真剣勝負で親子丼と向き合えて楽しかったですね」
肥「同感。あ、そうそう、夜は親子丼だけの注文はNGの店もあるので注意。やっぱりマナーを守って味わいたい。てことで、親子丼で〆るってコースで焼鳥屋に飲み行こー!」
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