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震災発生直後、オフィスグリコのスタッフさんの被害は比較的少なかったということも、有事の中でのサービスの稼働に繋がりました。

「震災が金曜日に発生してその日は全員帰宅してもらったのですが、ありがたいことに月曜日には多くのスタッフさんが職場に来てくれました。そこから、お客さんの所へ『大丈夫ですか』という声がけも兼ねて商品の補充に伺いました。被災後間もない状況での訪問がTwitter(の投稿)を通じてご評価いただいたおかげで、多くの会社さんから興味を持ってもらうきっかけにもなりました」

防災の観点からオフィスグリコを提案するポップ(提供写真)

オフィスグリコは震災以降、日常的に利用する『循環型備蓄品(ローリングストック)』という観点からもサービスを提案しています。日常的に使いながら足りなくなった分を補充していくことで、賞味期限切れによる備蓄品のロスを少なくできるメリットがあります。

特に新型コロナウイルスの発生以降、食品ロスの問題が顕在化しました。消費しながら新しい在庫と入れ替えていくという備え方は現代に合ったスタイルと言えるでしょう。

「災害はあってはならないことですが、万が一の備えのお役に立てればと考えています。企業さんの方でも『設置費が掛からないのであればBCP(事業継続計画)の観点からも導入したい』という声が増えていきました」

「おとなの週末」を発行・運営する講談社ビーシー内のオフィスグリコ

介護施設でも活躍するオフィスグリコ

日本はここ10年ほどで東日本大震災や新型コロナウィルスの発生など、国難といえるような災害や疫病に見舞われました。

新型コロナウィルス感染拡大の折では、多くの職場でテレワークの機会が増え、新しい働き方へシフトしています。オフィスの出社が制限される中で、首都圏エリアのオフィスを主戦場とするオフィスグリコは大きな打撃を受けました。

そこでグリコチャネルクリエイトでは、人の減っているオフィスではなく、社会を支えるためリモートワークが難しいエッセンシャルワーカーの方たちが勤める介護施設などに積極的に営業提案を始めました。

小寺さんによると「長時間、職場でお仕事されている方たちが多かったことから、スタッフの方たちのリフレッシュのお役に立てているという声を聞いています」と、評判は上々の様子。さらに、新しい役割としてスタッフの方だけでなく入居者の方に向けた施設内での「お買い物会」などのレクリエーションで活用される機会が増えていきました。

「基本的にボックスは事務所に置いてあるものですが、お買い物会の際は、利用者さんのフロアに持ち込んで、ご自身で好きなお菓子を選んでいただき、召し上がっていただいています。以前にもそういった使い方をされているという声はあったのですが、最近では介護施設さんにも多く導入されていることから、同様の事例をよく聞くようになりました」

コロナ禍において、特に高齢な方であれば不要な外出は避けたいという考えもある中で、オフィスグリコが健康維持のツールとして貢献しています。

2021年の6月には新サービス「どこでもオフィスグリコ便」誕生

また、2021年の6月には「どこでもオフィスグリコ便」というサービスも誕生しました。

2021年6月にスタートしたどこでもオフィスグリコ便(提供写真)

今までのオフィスグリコはサービスを提供できるエリアが限定されていました。

新サービスでは、職場に専用ボックスや商品を発送し、顧客である企業自身のセッティングによる訪問しない販売方法の実現や、支払方法をPayPayなどのQRコードを使った決済に限定することで、従来対応できなかったサービスエリア外の企業や、部外者の立ち入りが許可されていない環境で利用することが可能になりました。

サービス誕生の背景には、コロナ禍による非接触を望む声や東京に本社を持つ企業の地方支社からの要望があったといいます。

スタート時、オフィスワーカーのリフレッシュを目的としていたオフィスグリコですが、世の中の変化やニーズに対応しながら、その役割や対象者を広げ、サービスの価値を高めています。

災害時の非常食、また、ある時は施設入居者の健康維持など、お菓子に新たな社会的な役割を与える存在としてオフィスグリコが今後、どのような変化をしていくのか?引き続き注目していきたいと思います。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

文・写真/山本孟毅

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おとなの週末Web編集部 山本
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