白の色彩が空と海に映える「イーストハウス」
作品だけでなく、古い街並みも、アートでしょう。「おひるねハウス」と「弁天サロン」を結ぶ道の界隈には、黒塀の古民家が並んでいました。中でも、「大葉邸」という黒塀の空き家は、「佐久島空家計画/大葉邸」という作品です。築100年、人が住まなくなって半世紀という民家を、アーティストの平田五郎さんが2002年から4期に分けて改修するなどひとつの作品として仕上げました。散策するのが楽しい一帯です。
おひるねハウスを離れ、自転車で東港に戻ります。東港のすぐ沖にある大島を結ぶ桟橋の途中にあるのが「イーストハウス」(2010年、2018年再制作)です。おひるねハウスと同じ南川さんの作品です。東地区にある「東屋(あずまや)」なので、この名前が付きました。
やはり立方体の建造物ですが、こちらは白一色。白の色彩が、青い海と青い空に映えます。約60mの木製ベンチの両端に立方体が設置されています。階段がついていて、立方体には上ることができます。おひるねハウスと同様に、独創的な造形を眺めます。そして、立方体に上がり、普段の視点より少し高いところに立つことで、少々異なった味わいの光景が楽しめました。