凝固剤を使い分ける
【答え】
(1)ゼラチン
ゼラチンは、牛、豚、魚などの骨や皮に含まれるコラーゲン(動物性タンパク質の一種)を加熱・分解して抽出したものです。ゼリーの凝固剤として一般的に使用されています。
(2)の寒天は、テングサやオゴノリなどの海藻から抽出される多糖類です。江戸時代、冬に戸外に置いておいたところてんが凍り、日に照らされ乾物化し、偶然発見されたといわれます。第二次世界大戦までは日本の重要な輸出品でした。練り羊羹のほか和菓子の原料として広く使用されてきました。近年ではゼリーの凝固剤にも用いられます。
(3)のペクチンは、リンゴや柑橘類などの果物から抽出される多糖類です。凝固力はそれほど強くなく、おもにジャムなどでとろみをつけるのに使用されます。
凝固剤の使い分け
生のパイナップルやキウイなど一部のフルーツには、タンパク質を分解する酵素が含まれるため、ゼラチンが固まりにくくなります。その場合は、植物性の凝固剤であるペクチンや寒天で代用することができます。あるいは、酵素は熱に弱いので、フルーツを煮てから使用するか、熱処理されている缶詰や瓶詰のものを使えば、タンパク質の分解が起こらず、ゼラチンは固まりやすくなります。
一方寒天はレモン果汁などの強い酸には不向きです。強い酸は寒天の繊維を溶かすので固まりにくくなります。その場合は、粗熱をとってから手早く混ぜ合わせます。また、寒天は高温で煮溶かしてから冷却して固めますが、牛乳は高温では乳成分が固まってしまうため、寒天液の温度が下がってから加えます。
ペクチンにはHMペクチンとLMペクチンがあり、HMペクチンは高い酸度と高い糖度で固まります。LMペクチンは、カルシウムやカリウムなどのミネラルで固まるペクチンです。そのためペクチンは酸性の強いものや牛乳などの乳製品を固めることが出来ます。