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気候変動による影響……エルバマットの貢献に期待

最後に小ネタをもう一つ。カステッロ・ボノミは、“地ブドウ”であるエルバマットの復権に一役買った。先にも述べたように、ワイン法上フランチャコルタで使用が許されるブドウ品種は、シャルドネ、ピノ・ネロ、ピノ・ビアンコ(最大50%まで使用可)の3種に限られてきた。そこにエルバマットが加わった背景には地球温暖化の影響への危惧があった。エルバマットは晩熟(他の使用品種より収穫が1カ月半も遅い)で、リンゴ酸の数値が高いのが特徴。果皮が厚く、病害虫に強いという強みもある。カステッロ・ボノミではフランチャコルタ協会に協力して10年に同品種の試験栽培を実施、法改正の手助けをした。温暖化で懸念されるブドウの酸の不足、気候の激化による収量の変動に、エルバマットが貢献することが期待されている。エルバマットには風味的にはそれほど際立ったものはないということで、最大10%までブレンドして使用することが許されている。

ワインの海は深く広い‥‥。

Photos by Yasuyuki Ukita, Castello Bonomi

カステッロ・ボノミのブドウ畑

浮田泰幸
うきた・やすゆき。ワイン・ジャーナリスト/ライター。広く国内外を取材し、雑誌・新聞・ウェブサイト等に寄稿。これまでに訪問したワイナリーは600軒以上に及ぶ。世界のワイン産地の魅力を多角的に紹介するトーク・イベント「wine&trip」を主催。著書に『憧れのボルドーへ』(AERA Mook)等がある。

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