糖質を減らせる効果 鍋ダイエットの利点は、カロリーを抑えられることだけではありません。そのほかにも、主食(糖質)を減らせる、野菜を多く食べられる、タンパク質を摂取できる、体を温められるなどの効果があります。 ただし、鍋料…
画像ギャラリー「おとなの週末Web」では、食に関するさまざまな話題をお届けしています。「『食』の三択コラム」では、食に関する様々な疑問に視線を向け、読者の知的好奇心に応えます。今回のテーマは「鍋ダイエット」です。
文:三井能力開発研究所代表取締役・圓岡太治
クリスマスに、お正月、忘年会・新年会…太りがちな季節
冬は屋内で過ごす時間が長く、運動量も少ない上に、クリスマスやお正月、忘年会・新年会など、イベントや行事が続くため、ついつい太りがちな季節です。そんな冬にうってつけのダイエットがあるのをご存じでしょうか。それが、鍋料理を美味しく食べながらダイエットをはかる「鍋ダイエット」です。
鍋料理は具材を自由に組み合わせることが出来るため、適切な組み合わせでダイエット食にもなるのです。鍋ダイエットでは具材に決まりがある訳ではありませんが、なるべくカロリーの低い食材を使うのが基本です。さて、つぎのうち鍋ダイエットの具材の選び方として適切でないと考えられるのはどれでしょうか。
(1)しらたきの代わりに春雨を使う
(2)鶏肉は皮つきのものより、身だけのものにする
(3)魚介類はサケよりエビやカニの方が良い
カロリーの差は10倍にも!
適切でないのは、(1)「しらたきの代わりに春雨を使う」です。
しらたきはこんにゃく芋から作られます。そのほとんどは水分で、エネルギーはわずか7kcal(100g中。日本食品標準成分表2020年版による。以下同様。)です。
春雨は一見しらたきと似ており、低カロリーな食品だと考えられがちですが、実はでんぷんから作られており、糖質を多く含んでいます。春雨の中でよく食べられているのは緑豆春雨で、緑豆を原料としており、多くは中国産です。それ以外の普通春雨は国産のものが多く、ジャガイモやサツマイモのでん粉を使って作られます。エネルギーは緑豆春雨で78kcal、普通春雨で76kcal(いずれも茹でてもどしたもの)です。しらたきの約10倍です。
鶏肉は、皮の部分に脂質が多いため、皮のない方がカロリーは低くなります。たとえば鶏もも肉の場合、皮つきで234kcalですが、皮なしだと128kcalです。鶏むね肉でもほぼ同様の結果です。ただし皮つきでも皮なしでも、炭水化物は0g(100g中)ですので、鶏肉は糖質制限には向いている食材だと言えます。
魚は赤身魚より白身魚の方がカロリーは低めです。サケ(銀鮭)の188kcalに対し、タラ(すけとうだら)は72kcalです。エビ・カニ類もカロリーは低めで、甘エビが85kcal、毛ガニは67kcalです。
糖質を減らせる効果
鍋ダイエットの利点は、カロリーを抑えられることだけではありません。そのほかにも、主食(糖質)を減らせる、野菜を多く食べられる、タンパク質を摂取できる、体を温められるなどの効果があります。
ただし、鍋料理は、食材や味付け、食べ方などによって、ダイエット食にもなれば、その逆になることもあります。鍋ダイエットを成功させるためのポイントを以下にまとめます。
(1)食べすぎに注意
いくらヘルシーな料理でも、食べ過ぎてしまえば意味がありません。適度な量に抑えることが必要です。特に気を付けたいのが、シメのご飯やうどんなどです。シメはなるべく控えて、野菜やキノコ類などでお腹を満たすように心がけましょう。
(2)味付けに注意
具材だけでなく、スープやたれにも注意が必要です。もつ鍋のような甘辛の味付けや、ゴマだれなどはカロリーが高くなりがちです。スープを飲み過ぎないようにすることも大事です。
(3)肉類は脂分の少ない部位を
牛肉や豚肉は脂身のついていないものを、鶏肉は皮の付いていないものを選ぶことが大事です。
(4)魚介類は赤身魚より白身魚、エビ、カニ、ホタテなど
一般的に赤身魚はカロリーが高めなので、ほかの魚介類で代用すると良いでしょう。
(5)春雨やくずきりなどは意外とカロリーが高いので注意
でんぷんを原料とする春雨やくずきりの代わりに、しらたきや糸こんにゃくを使うのがおススメです。
(6)キノコ類
鍋の具材として定番のエノキタケやシメジなどのキノコ類は、カロリーが低く、食物繊維も豊富なので、ダイエットに適しています。
美味しい鍋で体も心も温まりながら、上手にダイエットを行いましょう!
(参考)
食品成分データベース(文部科学省)
https://fooddb.mext.go.jp/