弁当ステーション、そして里山横断!
Z坂、大野亀と続いたクライムが、佐渡島のちょうど北東端あたり。その後、75㎞地点の鷲崎ASでひと息ついたら、折り返すように今度は東岸沿いに一気に両津を目指す。
海岸線の美しさもさることながら、海に面した佐渡らしい棚田の風景や下り坂の爽快さ、漁港、トンネル、昔ながらの民家や木漏れ日の気持ちいい林間……。数キロおきに表示される走行距離表示をチェックしながら、昼頃には両津に着けそうだぜと、ペダルを踏み込むのだった。
12時過ぎ、何とか予定通り(なりゆきって話もあるが……)のタイムで両津のBS(弁当ステーション)、おんでこドームに着く。「おんでこ」って何かって言えば、「鬼太鼓」だね。佐渡らしいネーミング。ここまでで一応103㎞を走破。
途中ステーションで休憩しつつ、楽しみながらこのタイムはなかなか上出来だ。支給の弁当とお茶をいただきながら一服する。途中でけっこうあれこれつまんでるけど、何だかんだで走り続けているからやっぱりペロリと食べられちゃうのだ。
さて弁当を食べたら残りはあと30㎞弱。反対側の佐和田を目指し、今度は佐渡島のちょうどくびれの部分、内陸の里山を横断してゴールへと向かう。運がよければトキが見れることもあるとかないとか。
海岸沿いとはまた違った里山の風景が心を和ませてくれる――。と言い切りたいところだが、里山とはいえ山。わりとアップダウンもあって、仕上げとしてはそれなりに脚にくる。いやいやしかし、もっと厳しいAコース(210㎞)とかSコース(高低差800m超)を走ってる人もいるんだからね、と思いつつ、マイペースで走ることにするのだ。
14時18分、ついにフィニッシュ。
ゴールゲートを通過すると、センサーでわかるので、ちゃんと名前を呼び上げてくれる。ちょっとうれしい。通算走行時間7時間51分。いやあ、お疲れさま。心地いい疲れと同時に明日の筋肉痛を激しく予感しながらも、やはりヤッタゼ! という達成感。そして早くも、来年もまた来るぜ! と思うのだった。
まずはこのあとザブンと温泉に入って、新潟まで戻ったら焼肉だな、などと思いつつ。
取材・撮影/ブオンペダーレ池田