鍋やスープの肉の脂は取り除きたい
「野菜スープに対する考え方には二種類あって、病気を治すための野菜スープと健康維持のための野菜スープです。アトピーや潰瘍性大腸炎を治したい方には、野菜を中心に、せいぜい魚を入れる程度をすすめますが、元気な人には肉などをたっぷり入れた野菜スープをすすめます。ただし、肉を使うときは、できれば表面に浮いた余分な脂分を取り除くことです。ビーフシチューもそうですが、これがポイントですね」(堂園博士)
鍋料理や野菜スープに入れた肉類から出た脂はそのつど取り除けばいいが、料理によっては、ひと晩おいてから浮いた脂を取ることもあるという。たとえばビーフシチューだ。
「私自身は野菜スープをもとにカレーやビーフシチューを作るようにしていますが、ビーフシチューの場合は、ひと晩おくと表面に脂が溜まりますので、その脂をすくい取ってから食べるようにしています。脂の摂りすぎは肥満の原因になります。砂糖を摂ると血糖値が上がって満腹中枢を刺激するので、脳は食べるのをやめるように指示しますが、脂だとそれができないので、極端に言うと、お腹に詰め込むようにして食べてしまうのです」
危険なのは肉に含まれている脂だけではない。揚げ物などに使われる油も同じことが言える。では魚の脂なら問題はないのだろうか。
「魚の脂は大丈夫です。鍋料理や野菜スープに魚を入れるときは、骨ごと入れて煮たほうが、より栄養分が摂れます。今の若い人たちは、魚の切り身を食べても内臓を食べません。また農薬や化学肥料を使って栽培した野菜はミネラル分が少ないんです。ミネラルを摂るには魚の内臓系がいいし貝類もいい。そういう食材を一緒に入れると非常に栄養バランスがよくなります。昔から味噌汁にシジミを入れるのはすごく理にかなっているのです」(堂園博士)
鍋スープを冷凍して作り置きし、麺を加える
「また、野菜スープや、鍋料理のスープは冷凍すると使い道がさらに広がります。今はみなさん忙しくて、ご飯を作るにも手間暇をかけられない人が多いですからね。先にご主人が帰ったら、冷凍したスープを解凍して温めておけば、それだけで時短になるわけです。この冷凍して保存できるというのが、ファイトケミカルスープの二番目の利点ですね。みんなご飯を作るのが面倒なんです。だから仕事帰りにコンビニ弁当を買って食べる。でも、スープの作り置きさえあれば、ご飯を入れればおじやになるし、”どん兵衛”をこのスープで煮込んでもいいわけだから、インスタント食品と同じ手軽さです」
たしかにこうした野菜スープさえあれば、簡単に鍋料理ができるだけでなく、スープを温めて麺を入れれば簡単に煮込みうどんやラーメンもできる。市販のスープの素には添加物だらけのものも少なくないから、それを避けるためにも最高の調理法だ。