「さば」と「めし」がおいしくなるように素材も抜かりなし!
さばめしは、『さば鉄』でランチとして提供され、大人気だったメニュー。じつは、さかのぼればかつて運営していた店で、コース料理の〆として土鍋で提供していた一品だ。
さばめしのヒントとなったのは、焼いたタイをのせて土鍋で炊き込む「たいめし」だった。そもそも提供していたのは、たいめしと、あなごめし。サバでもおいしいのでは……と作ってみたところ、オーダーはタイでもあなごでもなくサバに一極集中!
泉谷さんは、タイにもあなごにもKO勝ちした、さばめしを看板料理として『鯖匠』を立ち上げることを決意した。
さばめしは、たんに、ご飯にサバをのせたという代物ではない。泉谷さんのサバと米をおいしく楽しんでもらいたい、というアツい思いがギューッと詰まっている。そのこだわりを説明しよう。
まずサバは、茨城県波崎の『越田商店』の「サバ文化干し」を使用。サバファンならご存じの方もいらっしゃるかと思うが、厳選したノルウェーのサバを、約半世紀の間守り続けた秘伝の「熟成漬け汁」に付け込んで仕上げた逸品。「日本各地のものを食べてみましたが安定してバツグンにおいしい」と、絶賛する泉谷さん。
表面をパリッと、身はほっくり、ジューシーに仕上げるために、串にさして「近火の強火」で香ばしく焼き上げる。
お米は「さばめし」用に厳選した岩手県産のお米。日髙昆布を加え、ダシとともに炊き上げる。
お茶漬け用のダシは、マダイでとった「特製白湯だし」。マダイの頭をじっくり強火で2時間煮こんでとった白濁した濃厚なダシだ。
「いろいろ試してみましたが、さばめしにしたときにバシッと合うのが『タイ』だったんです」と泉谷さん。意外にもサバ節だと「何か足りない感じ」だったらしい。
薬味のわさびも、さばめしに合うようにと、本わさびを刻み醤油漬けにしたものを提供。「辛みや香りに加えてアクセントになる食感もプラスしました」と泉谷さんは説明する。
サバがおいしい、めしがおいしい、ではなくて「サバ」と「めし」がおいしくなる設計が考え尽くされている。
サバと米。合うのがわかっている組み合わせに、工夫に工夫を重ねた「さばめし」。
では、さっそくいただいてみましょう!!