旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。 さて、今回のテーマとなる食材は? 文/おと週Web編集部、画像/写真AC 【今月の旬食材は?】いま1年で…
画像ギャラリー旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■クイズの答えは……
正解:とんぶり
難易度:★★★★★
畑のキャビアと呼ばれています
とんぶりとは、ほうきぎ(箒木)という植物の成熟した果実を加工した食品です。直径1~2mm程度の粒状をしていて、無味無臭でプチプチした食感が特徴です。
濃い緑色をしていて、大きさも世界三大珍味であるキャビアに似ていることから「畑のキャビア」と呼ばれたり、その食感から「陸のかずのこ」と呼ばれることもあります。
ほうきぎの別名は「コキア」です。コキアの果実がとんぷりといわれると驚く人も多いかもしれませんね。コキアは丸々とした形状で、夏には美しいライムグリーン、秋には真紅に色づくなど、季節の移ろいを感じさせてくれる美しい観葉植物です。
近年では、国営ひたち海浜公園(茨城)や東京ドイツ村(千葉)、箱館山コキアパーク(滋賀)など、全国では「コキア」の紅葉が見られるスポットが人気となっています。ただし、こういった場所でのコキアは観賞用として栽培されています。
また、昔はコキアの茎を乾燥させてほうきが作られていました。いまでは観賞用のイメージが強いコキアですが、その昔は捨てるところがない利用価値の高い植物として珍重されていました。
とんぶりの旬は10~11月。生産量のトップは秋田県で、特に大館市は日本一を誇ります。収穫後のとんぶりは乾燥させてから茹でた後、水にさらして流して外皮や茎などの異物を取り除き、水切りした後に瓶づめや真空パックにされて出荷されます。
とんぶりが唐(とう)から伝来した植物で、見た目が秋田の県魚であるハタハタの卵(ぶりこ)に似ていることから「とうぶりこ」と名づけられ、それが省略されて「とんぶり」となったというのが名前の由来といわれています。
とんぶりはクセのない味わいのため、さまざまな料理に使うことができます。特におすすめしたいのは、食感を生かすことのできる料理です。
たとえば、和え物の中に入れる、パスタのトッピングやパスタソースの中に混ぜる、ポテトサラダに混ぜる、納豆に混ぜる、すりおろした山芋と混ぜる、茶碗蒸しに入れたりトッピングするなど、使い方はさまざま。無味無臭なので料理の味を変えることもありません。
プチプチした食感は一度味わったら病みつきになることまちがいなし! お店で見かけたら、ぜひ一度手に取ってみてください!
美味しいとんぶりの見分け方
スーパーなどで生のとんぶりが売られていることは稀で、一般的には、真空パックや瓶詰めのものが売られています。ただし、旬の時期には、産地直販サイトなどで生とんぶりを購入することが可能です。
新鮮なとんぶりは、濃い緑色をしています。黄色ぽく変色していたり、乾燥して皮がシワシワになっているようなものは避けましょう。
生の場合は冷蔵保存で2週間ほどは日持ちしますが、できるだけ早めに食べきるようにしましょう。
とんぶりの注目栄養素
特に、サポニンが豊富なことが注目ポイントです。この成分は、コレステロールを除去したり、血流を促して血栓の生成を抑制するほか、肝機能や免疫力の向上も認められています。大豆や高麗人参に多く含まれる成分として知られています。
また、食物繊維がたっぷりで高い整腸効果が期待できます。
その薬効の高さから、利尿・強壮剤、皮膚疾患改善などの効果が期待できる漢方としても使用されています。漢方薬として使用される場合は「地膚子(じふし)」と呼ばれます。
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