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過去問演習の4つの目的

多くの受験生は、過去問演習をすでに数年分進めていることと思います。しかし、ただ漫然とやるのと、目的意識を持って今何をすべきかを理解しながらやるのとでは結果が大きく違ってきます。過去問演習の目的は、主に以下の4つです。

(1)合格可能性を測る
前述のとおり、合格の可能性を測るのにもっともよいモノサシは、過去問です。目標は、合格最低点(合格ライン)を超えることです。ただし、過去問演習で一度も合格ラインに達しなくても、あきらめる必要はありません。最終的には入試当日に合格ラインを超えれば良いのです。現実にそのような例は少なくありません。大事なのは過去問演習の結果をフィードバックして実力アップを図り、どれだけ合格ライン突破の可能性を高めて行けるかです。

(2)問題の形式、傾向、難易度などを把握する
入試問題が答えのみで良いのか説明が必要か、選択式が多いのか記述式が多いのか、どのような分野の出題頻度が高いのか、基礎・標準・応用レベルがどのような比率になっているか、などによって、対策の仕方が変わってきます。志望校選択にも影響します。

(3)受験までの学習計画に役立てる
過去問演習によって、合格までにどの程度開きがあるのか、科目ごとに目標とする点数、どの科目や分野を強化しなければならないか、などを分析し、その後の学習計画に役立てます。

(4)問題の取捨選択眼とスピードの向上を図る
試験の得点は、学力がそのまま反映されるわけではありません。限られた時間内でどれだけ取れるかの勝負です。どのような順番で問題を解くか、またどの問題を解きどの問題を捨てるかで得点は大きく変わります。過去問演習を何度か行うことで、その選択眼と、手際よく問題を解く力を磨きます。

過去問への取り組み方が最重要ポイント

過去問演習の進め方

過去問演習を効果的に行うには、以下のステップで進めます。
(1)過去問を解く
(2)出来なかった問題は解き直しをする。
(3)課題を洗い出し、その対策を行う
(4)上記(1)~(3)を繰り返し、数年分の過去問を解く
(5)出来なかった(2)の問題を、ある程度期間を置いて解き直す
上記が理想形ですが、時間がないときは(3)のステップは(4)のあとに回します。

ここで、以下のことに注意します。

(1)得点の上限値を出す
問題を解く時間は本番と同じ時間で解き、採点します(得点A)。ただし時間不足で解き切れなかった場合は、解答を見る前に自力で解いてみて、その結果の得点(得点B)も出します。得点Bは、現在の学力での上限値です。得点AとBに差がある場合には、スピードアップを図ることで得点を上げられます。一方、AとBにあまり差がない場合は、実力自体を強化する必要があります。

(2)復習は必ず行う
時間的な余裕がないと、過去問を解き進めることに重点が置かれ、復習がおろそかになることがあります。しかしそれでは解ける問題を解くだけですので、実力アップにはほとんどつながりません。解けなかった問題を解けるようにしてこそ実力がつきますので、復習は必ず行わなければなりません。

(3)問題構成を知ってから演習を行う
第1回目の過去問演習を行う前に、別の年度の過去問(直近でない年度のものが良い)にざっと目を通し、大体の問題構成を把握しておきましょう。本番と同じように、何番から解くかなど、ある程度作戦を立ててから解きます。まったく情報がない状態で試験を行うと、不慣れなために点数が取れないのが当たり前です。そうすると正確な情報が得られず、1回分の過去問演習の効果が薄くなってしまいます。なお、目を通した年度の過去問は、ざっと見るだけですので、ほとんど記憶には残りません。また後で演習に使うことが出来ます。

(4)出来る日に1科目ずつでも進める
過去問演習は、実際の入試と同じように、一日で4科目やった方が良いという人もいます。連続してやるのとそうでないのとは、疲労感なども違ってくる、といった理由からです。それはそれで一理あると思いますが、それほど影響は大きくないように感じます。それよりも、後述するように、複数校受験する場合は、かなりの量の過去問を解かなければならなくなります。そうすると、土日などにまとまった時間をとって行うよりも、平日に1、2科目ずつでも過去問を解き進めて行かないと、現実的に間に合わなくなります。

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圓岡太治
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