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「創業1960年」の看板が

結局、セメント通りまで戻ってしまった。視点を変え、産業道路の側から見てみると、『西の屋』の駐車場に面した看板が目に入った。何と「創業1960年」とある。おおぅ、スゴい老舗。俺より5歳も年上やん!? 途端に腹は決まった。やっぱ、こっち!

1960年創業の『西の屋』

外観からも窺えたけど、入ってみるととても綺麗な店内で、「東天閣」程はないにしてもかなり広かった。2階もあるらしかった。

『西の家』

メニューも多種多彩。どれにしようか。迷ってしまう。

ランチの焼肉セットでは、カルビでもロースでも1100円という安さ。でもなぁ。私は古い人間なので、一人焼肉はどうにも寂しい。

ならば、と単品メニューを見てみたが、ビビンバやクッパといった定番メニューに加えて、カルビラーメンやうどんといった変わり種も。うーん、これまた迷う。ユッケジャンラーメンなんてのも美味そうだなぁ―――。

滋味たっぷりのスープ、トロトロのカルビ

結局、振り切ることができたのは、前回も食べたのは麺、という理由からだった。ここはやっぱり定番、クッパで行きましょう。しかもせっかくなんだから、肉も味わいたいからカルビクッパ、1170円ナリを注文。

そうしたら、出て来たのがこれですよ!

『西の家』の「カルビクッパ」

うわ。真っ赤っかで見るからに、辛そう。辛さを選べますと注文時に言われて、「普通で」と頼んだのに、なぁ。これがスタンダードなんだったら、「2倍」「4倍」なんてなったらどんだけ辛いんだか??

ところが覚悟を決めて口に運んだら、「あれ!?」

辛くないのだ。こんだけ真っ赤で、とんがらしが浮いてるのに、辛さは全然なく旨味がすっと口の中に広がって行く。いやぁ不思議。

滋味たっぷりのスープ。じっくり煮込まれてトロトロになったカルビの肉塊を、少しずつ齧りながらご飯をスプーンで掬って、口に運ぶ。あぁ、たまらない。歩き回り、迷いまくって消費したスタミナが、一口ごとに充填されて行く。生きる力が取り戻される味だ。

店員さんの接客も丁寧で好感度、抜群。こっち選んで大正解! でした。ご馳走様っ!!

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西村健
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