中古車選びは慎重に!!
『ゆるキャン△』などの影響もあって需要が激増しているラシーン。需要があれば中古車相場が上がるのが世の常で、実際に中古車の人気が高い。
デビューしてから30年、絶版になってから24年経過しているということで20万km近い過走行車もある一方、2万km程度の極上モノも存在している。新車時の車両価格が200万円前後だったが、300万円を超えるプライスのモデルもある。
中古相場はかなりワイドで、格安の30万円前後のモデルもあるが、年式を考えると安い=程度が悪いと考えるべき。ある程度のものを購入するなら150万円前後は覚悟しておきたい。ただ中古車の場合はアタリハズレがあるため、安心できるお店を探すことが先決となる。
その点ラシーンは中古人気のため専門店が続々登場しているため、ラシーンについて詳しい専門店に相談することをお薦めする。
ラシーンの中古車では、フロントマスクを大胆に変更したモデル、全塗装によりオリジナルのカラーリングを施したモデルが多いのも特徴だ。
ラシーンの中古車は買いか? という問いに対しては古いクルマであること、走りにはそれほど期待できないことを頭に入れたうえで、それでもデザインが刺さるというなら迷うことなく買いだろう。
ラシーン復活待望論
2010年以降から現在までSUVブームが長く続いている。ラシーンは、今発売していればもっと売れたはず、ということから『登場するのが早かったクルマ』の一台にたびたび挙げられる。実際にデビューするのが15年早かったと思う。
SUVのなかでもクロスオーバーカーは一定の需要があり、ラシーンの復活論は根強く存在している。トヨタがランクル70という昭和のクルマに現代の技術を盛り込んで販売しているのと同じことをやってくれ、とまで言わないが、かつてのパイクカーのように少量生産、限定販売でもいいからラシーンのコンセプトを現代に復刻させるのは充分ありだと思う。
【日産ラシーン主要諸元】
全長4115×全幅1695×全高1515mm
ホイールベース:2430mm
車両重量:1210kg
エンジン:1497cc、直列4気筒DOHC
最高出力:105ps/6000rpm
最大トルク:13.8kgm/4000rpm
価格:196万3000円(4AT)
【豆知識】
初代テラノは日本で1986~1995年まで販売されたミドルクラスクロカン。ベースとなっているのはダットサントラックで、北米日産のデザインスタジオであるNDIが手掛けた独創的なデザインで人気となった。初代パジェロとともに初期のクロカンブームの主役となった一台だ。1980年代後半から1990年代前半の日産はラリーに力を入れていて、パリ・ダカールラリー、FIAクロスカントリーラリーなどモータースポーツにも投入され活躍。
市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。
写真/NISSAN、ベストカー