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梅干しは古来より塩だけで漬けるもの

手作り好きな69歳のオイラ。なかでも梅干しは「週末手しごと」の原点でもあり、かれこれ20年以上作り続けております。毎年5kgを仕込んできました。はい、20年以上も前からジジイ趣味でございます。

実際、梅干しは奥の深い保存食です。とはいえ、オイラは梅干しをそのまま食べることはいたしません。なにしろ手作りする梅干しの塩分量は15%以上。血圧高めのジジイとしては、そのまま1個を食べる勇気はありません。

「だったら、なんで梅干しを作っているの?」と、疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。ごもっともです。しかし、オイラは梅干しを「調味料のひとつ」として作っているのです。仕込みから食べ頃までにほぼ1年かかりますが、熟成した自然でまろやかな塩味(えんみ)は、手作りの梅干しだけのものです。

納豆の味付けも梅干しですし、酒肴のあえものにも梅干しです。そうめんのつゆには、めんつゆの量を減らして、梅干しの味をきかせます。チャーハンを作る際も、味付けは梅干しです。ほかの調味料では絶対に味わえないさわやかで、ふくよかな塩味はまさに究極の調味料なのです。

また、おにぎりに梅干しはお約束ですが、多くは中の具として梅干しが丸ごとか、あるいはほぐされたものが入っていますよね。しかし、ここでもオイラは梅干しを中に入れません。おにぎりに2~3個分のご飯をよそい、ほぐした梅干しを混ぜ混んで握っています。

「そんなことをしているから血圧が高いのだろう」と、賢明な読者がたは思われることでしょう。

しかし、オイラの尊敬する高名な自然派医師・本間真二郎先生は著書(※)の中で、血圧と塩の関係についてこのように述べられております。「制限すべきなのは精製塩であり、塩分ではありません。ミネラル豊富な天日干しの自然海塩などの天然塩は、むしろ積極的にとりましょう」と。ありがたいお言葉です。(本間真二郎『感染を恐れない暮らし方 新型コロナからあなたと家族を守る医食住50の工夫』(講談社ビーシー/講談社))

そこで皆様への質問です。市販の梅干しって、おいしいと思われますか? 私はまったく思いません。みょうな酸っぱさと甘さが苦手なのです。試しにスーパーで、梅干しのパッケージをひっくり返してください。原材料表示には添加物だらけです。

梅干しはそもそも保存食です。古来より塩だけで作ってきたものです。オイラはこの20年、塩分量を加減してきましたが、言えることは梅の重量に対して15%より少ない塩分量では、確実にカビます。

ところが市販の梅干しときたら、「塩分6%」「塩分10%」などのものもあります。本来それでは保存食にはならないのですが、酸を補い、アミノ酸や糖などで味を人工的に加えて、保存食のように加工しているのです。だから、梅干し本来の味にはならないのです。

どうか皆様、今年の夏は間に合わなくても、いつかは手作り梅干しに挑戦してみてください。きっと梅干しがいま以上に大好きになります!

…つづく「「ゆで卵の殻」を一瞬できれいにむく「スゴ技」を発見…!超簡単、ゆでで漬けるだけの「煮卵」おつまみレシピ」では、煮卵のレシピとともに、圧倒的にゆで卵の殻がむきやすくなる、超簡単なひと手間を紹介しています。

文・写真/沢田浩

さわだ・ひろし。書籍編集者。1955年、福岡県に生まれる。学習院大学卒業後、1979年に主婦と生活社入社。「週刊女性」時代の十数年間は、皇室担当として従事し、皇太子妃候補としての小和田雅子さんの存在をスクープ。1999年より、セブン&アイ出版に転じ、生活情報誌「saita」編集長を経て、書籍編集者に。2018年2月、常務執行役員パブリッシング事業部長を最後に退社。

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沢田浩
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