旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■すっぱい!
正解:夏みかん
難易度:★★★☆☆
酸っぱい理由はクエン酸が多いから
夏みかんは、ミカン科に属するかんきつ類で、正式名称は「ナツダイダイ」です。
夏みかんは非常に変わった性質をもちます。
実を収穫せずにそのままにしておいても、翌年にはその実がついたままであっても新たな実をつけるのです。そのため、「実りが代々続く」ということでナツダイダイという名前がつけられたといわれています。
一般的なみかん同様、12月~1月にかけて収穫されることが多いのですが、収穫後は酸味がとても強いため出荷するまで倉庫で2~3カ月ほど寝かせて酸抜きをします。
ただし、4月~5月頃まで収穫せず、木に成らせたまま完熟させて出荷される場合もあります。
貯蔵している間に酸が抜け、甘みが増して食べ頃になるのが 春から初夏(4月~6月) なので、多くのかんきつ類が冬が旬であるのに対し、夏みかんだけは旬の時期が異なるのです。
こうした特徴から、「夏になってから美味しく食べられるみかん」ということで夏みかんと名づけられたといわれています。
見た目も旬の時期も似ている「甘夏」という品種がありますが、こちらは夏みかんの自然突然変異で、1935年(昭和10年)頃に大分県で発見された品種です。こちらは酸味が控えめで甘みが強かったため、「甘い夏みかん」ということで「甘夏」と名づけられました。
夏みかんが酸味が強いのはクエン酸という酸味成分の含有量が多く、クエン酸の分解スピードが遅いため酸味が残りやすいのです。
もちろん、皮をむいてそのまま食べても美味しくいただけますが、強めの酸味を生かすなら、シロップ煮やマーマレード、ゼリーなどにするのがおすすめです。
また、酢やレモンのかわりに夏みかんを使うと、爽やかな酸味と甘みのあるドレッシングを作ることができます。サラダの具材にもぴったりです。