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廃線跡を辿って風祭駅へ

箱根ガレージ報徳公園から、目の前の国道1号線(東海道)を箱根湯本方面に向け、出発進行!!。このあたりの国道1号線は、路面電車が道路上を走っていた”併用軌道”だった区間で、まさしく小田原馬車鉄道、そして小田原電気鉄道の廃線跡である。残念ながら道路は整備、拡幅されており、当時を伺い知る鉄道遺構など期待できるはずもない。

歩き始めて5~6分すると、目の前にJR東海道線と箱根登山電車のガードが見えてくる。その手前には歩道橋があり、そのたもとに何やら怪しき石碑を発見。よく見ると「人車鉄道 軽便鉄道 小田原駅跡」の文字が。このあたりには、路面電車の早川口停留場があったところだ。ん?、小田原駅?、と思ったが、かつてこの地から熱海へと向かっていた「豆相〔ずそう〕人車鉄道(のちの熱海鉄道※軽便鉄道線→大日本軌道小田原支社)」の駅跡を標す石碑だった。この鉄道も、熱海線(現・東海道線)が小田原駅から真鶴駅まで延伸開業すると、”競合区間”となったため廃止された。話が脱線すると熱海まで行ってしまいそうなので、豆相の話はここまで。

小田原電気鉄道早川口停留所跡の近くに建つ「豆相(ずそう)人車鉄道の小田原駅跡」の石碑=2025年4月5日、小田原市南町

国道1号線をさらに進むと、東海道新幹線のガードがあり、そのまま歩き続けること12~3分で箱根登山電車の箱根板橋駅に着いた。この場所から小田原駅まで路面電車が走っていたことを思うと、なんとも感慨深いものがある。さらに隣の風祭駅を目指し、歩みを続ける。廃線跡のうち箱根板橋駅のあたりは、のちに線路が付け替えられる(箱根板橋駅前へ乗り入れる)までは、東海道新幹線のガード手前にある板橋見付交差点から箱根湯本に向かって旧東海道を右に進んでいたので、箱根板橋駅前から先の国道は廃線跡ではなくなる。

しばらくして、登山電車の鉄橋をくぐった先に上板橋交差点があり、ここで再び旧東海道(廃線跡)は国道1号線へと合流し、併用軌道となる。そのまま直進すると小田原厚木道路の高架下あたりで旧東海道は右に逸れる。この地点から廃線跡は旧東海道に入ることなく、国道1号線とも分かれて、左に逸れるかたちで”専用軌道”と呼ばれる線路専用の軌道敷に入る。

専用軌道となった廃線跡は、付近を流れる早川の右岸(下流を背にして)を突き進むのだが、このあたりも区画整理や宅地造成などによって、当時を伺い知ることはできない。線路がどこを通っていたのかなど、もはや解明不能である。国道1号線に戻ると、このあたりは国道と箱根登山電車が並走しており、まもなく風祭駅だ。そうこうしていると、国道沿いの左手に”オレンジ色の登山電車”が見えてきた。

国道1号線沿いに保存される登山電車まで、”箱根登山電車”を利用して行く場合は、風祭(かざまつり)駅が下車駅となる。駅のホーム中程にある改札を抜けると「鈴廣かまぼこの里」が目の前に現れる。その建物内にある”鈴なり市場”を通り抜け、国道1号線に出て左手に視線を向ければ、オレンジ色の電車が見える。

引退した登山電車が出迎えてくれる“えれんなごっそCAFE107”=2025年4月5日、小田原市風祭
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鈴廣かまぼこと登山電車のコラボ...
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工藤直通
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