S13のような特別感が失われていた
大型化、新たな技術の投入などあったS14シルビアだったが、コストダウンが目についたのは残念な点だった。クルマは同一メーカーでパーツを共用するのは当たり前なのだが、S14シルビアではウインカーレバーがサニーと同じだった。目に見えるところ、よく使うところが格下と思っているモデルと同じだとガッカリ感は大きい。
そのほかインテリアに関しては、デザインなどスペシャルティとして頑張っているのはわかるが、S13の時のような特別感が失われていたのも事実。
価格アップも痛かった
S14シルビアのグレード名称は、S13を踏襲。トランプの絵札のJ(ジャック)、Q(クイーン)、K(キング)に由来する、J’s、Q’s、K’sの3タイプで、J’s、Q’sが2L、NA、K’sが2Lターボとなっている。S13の後期では最廉価モデルのJ’sは消滅したが、S14で復活している。
その価格は、S13の最終モデルがQ’s 162万1000円、K’s 203万9000円だったのに対し、J’s 169万7000円、Q’s 189万7000円、K’s 239万8000円となっていた。特に走り好きが欲しがるターボについては、約36万円アップ!! これはユーザーにとってネガティブでしかなかった。
値引き調査でクルマを購入!!
今と違い当時のクルマ界では、不人気車は値引きが大きくなるというのは当たり前。FRスポーツのS14シルビアも例外ではなく新車購入時の値引きが大きいので有名だった。筆者が在籍している自動車雑誌の『ベストカー』では、クルマのバイヤーズ企画を展開する際に必ず最新の値引き情報を掲載していた。
その値引き情報は、編集部員がディーラーに足を運び調査するのだが、当時在籍していたアルバイト氏が、S14シルビアの担当になって日産ディーラーで交渉。何件か回って調査するのだが、40万円近い値引きを提示された結果、そのまま新車購入したこともあった。編集部員が値引き調査で新車を買ったというのは、長い編集者人生でこれが唯一。しかし、欲しいと思っていたクルマを安く買えたアルバイト氏はご満悦で、その後後期モデルに買い替えるなど、S14シルビアのことを気に入っていた。