全店実食調査!『おとなの週末』が自信を持っておすすめするお店をご紹介します。今回は、東京・向島の甘味処『長命寺桜もち』です。
【創業享保2(1717)年】葛飾北斎・正岡子規が、こよなく愛した味を生誕の店で頬張る
関東風の桜餅が考案された場所。本家本元が、隅田川沿いのこちらだ。
享保2(1717)年創業のきっかけは銚子から江戸に出て長命寺の門番となった山本新六が、醤油樽で塩漬けにした桜の葉で餅を包んだこと。餅への香りづけと乾燥防止が狙いだった。
召し上がり500円(お茶付き)※箱詰め:お土産は5個入り1500円

「売れるまでに100年かかったそうです」と当代女将の山本祐子さん。
しかし、文政7年の資料に77万5千枚の葉を漬けたとあり、墨堤の花見に合わせ大人気となったことが窺える。当時は隅田川の東向こう(=向島)は渡し船で行くリゾート地だった。
こちらの桜もちの特徴は餡が硬めなこと。硬く練ることによって小豆の香りと味がしっかりすると言う。それに合わせて極薄の皮もしっとり、もちっと硬めだ。
店では朝から作るが、出来て2~3時間が「餡・皮・葉」のなじみがよい食べごろになるそうで、「葉は外してお召し上がりください」とのこと。
向島『長命寺桜もち』
[店名]『長命寺桜もち』
[住所]東京都墨田区向島5-1-14
[電話]03-3622-3266
[営業時間]8時半〜18時
[休日]月、火(3、4月は火曜も営業)
[交通]東武スカイツリーライン東京スカイツリー駅から徒歩15分、都営浅草線押上駅A3出口から徒歩15分
※通年販売:3〜4月は電話予約が好ましい
※召し上がり(店内飲食)は都合により中止のことも
※画像ギャラリーでは、あんこがたっぷり詰まったこだわりの「桜餅」の画像がご覧いただけます。
■おとなの週末2025年7月号は「夏の麺」

撮影/貝塚隆、取材/松岡芙佐江
※2025年4月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
…つづく「東京で楽しむ、口中に広がる春の香“桜餅”を味わう4選」では、春の訪れを伝えてくれる桜もちを紹介します。