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一番食べている、人生を変えた1杯『一条流がんこ』

なかでも『一条流がんこ』は、現在も青木さんが愛してやまない1軒だ。

「『がんこ』は、今もいちばん好きで最も杯数が多い。『がんこ』が好きなことは、もう生涯変わらないと思います。人生を変えた1杯です」

『一条流がんこ 総本家分家四谷荒木町』の「100ラーメン」(1200円)
『がんこ』で修業し、独立した『一条流中華そば智颯』(静岡県三島市)へも足を運ぶ青木さん。写真は1周年記念の「大悪魔ラーメン」(1500円)

ラーメン店で見た「ラーメン王選手権」のポスター

単なるラーメン好きから、一つのことを究めるラーメンフリークへの一歩を踏み出していた青木さんの人生を大きく変えたのが、「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「ラーメン王選手権」への出場だ。マニアックな難問に次々と解答するラーメンフリークたちの活動が世間に広く知られるきっかけとなった伝説の番組。1990年代に始まり、第10回まで放送された。第3回と第4回の連覇を経て、「TRY」の審査員も務めた石神秀幸さんら8人の優勝者(ラーメン王)が誕生している。

「大いなる勘違いなのですが、2003年放送の第7回を見て、『これ意外といけるんじゃない? 次があったら挑戦してみたいな』と思ったんです」

そんな折、『唐そば』(東京都渋谷区)で偶然、「ラーメン王選手権」出場者募集の告知ポスターを見かけた。

「『またやるんだ』と思ったのですが、そのままお店を出てしまったんです。でもやっぱり出場したいと、思い切って『唐そば』に電話してポスター記載の連絡先を教えていただきました。『頑張ってくださいね』と言われたことをよく覚えています」

ウェブサイト“とらさん”との出合い

青木さんが初挑戦した2004年放送の第8回は、現在もラーメン王・ラーメン大王として活躍する小林孝充さんが初優勝。小林さんは第10回でも優勝している。

「一次予選の決勝で小林さんに負けてしまいました。驚いたのが、出場者のほとんどが顔見知りだったことです」

当時は、ラーメン評論家の草分けで、「TRY」の審査員を務めた大崎裕史さん(現・ラーメンデータバンク取締役会長)が運営する全国のラーメン情報を網羅したウェブサイト「東京のラーメン屋さん」があった。“とらさん”の愛称で呼ばれ、ラーメンフリークたちが集うコミュニティが形成されていた。

“とらさん”では、「とらさんクイズ王」を実施。成績優秀者が「ラーメン王選手権」に出場する流れができていた。小林さんも、その1人だ。

「“とらさん”は食べ歩きの参考にしていたものの、コミュニティの存在は知らなかったんです。“とらさん”の中では、知らないヤツが来て、割と問題を当てているけど誰?という空気が流れていたそうです。大崎さんから『君はなんなんだい?』と聞かれたので、『ラーメンが好きなんです』と答えましたね。30人くらい出ていた中で、顔見知りがいなかったのは、僕ともう1、2人いたかどうか。その後、コミュニティに参加させていただくことになりました」

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ラーメンフリークたちと交流、地方を回る日々がスタート
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市村 幸妙
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