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需要がひと通りして販売台数は激減

S-MXはデビュー後しばらくの間は月販6000台レベルで販売する人気モデルだった。それは2列シートミニバンともいえるハイトワゴンとしての魅力を備えていたから。若々しいムードも好評だった。しかし、ひと通りいきわたった後は台数が大幅減となった。

その最大の要因は『大は小を兼ねる』で、ステップワゴンに流れたことだろう。2列より3列、いざという時に多人数が乗れるという魅力にはかなわなかった。

マイチェン後に若者向けにビビッドなカラーのインテリアも用意された

あとは、走るラブホテルとまで言われていた『恋愛仕様』にドン引きしたユーザーは少なくないと思う。

そんなこともあり、S-MXは2002年に生産終了となり一代限りで消滅してしまった。しかし、やる時はとことんやる、という突き抜けた感じがホンダらしい一台だ。そしてS-MXはホンダのMM思想(人のスペースは最大限、メカニズムは最小限)を体現したモデルで、後に登場するフィットのクルマ作りにも大きな影響を与えたのは間違いない。

トヨタルーミー、スズキソリオの人気からわかるとおり今は5ナンバーサイズのハイトワゴンが人気だ。車中泊というのが一般に認知されている今こそS-MXのようなモデルが欲しい気がする。

販売面では大きく成功はできなかったが、ホンダのチャレンジ精神はすばらしい

【ホンダS-MXローダウン(4速AT)主要諸元】
全長3935×全幅1695×全高1735mm
ホイールベース:2500mm
車両重量:1340kg
エンジン:1972cc、直4DOHC
最高出力:130ps/5500rpm
最大トルク:18.7kgm/4200rpm
価格:194万8000円

ドレスアップパーツの登場に期待がかかったがそれほど盛り上がらず

【豆知識】
S-MXは1996~2002年まで販売されたホンダの2列シートミニバン的なハイトワゴンだ。スポーティ仕様としてローダウンを設定していたが、ホンダのDNAが注入されたスペシャルモデルのタイプRの設定が噂されていた。デビューしてから1年後くらいに開発が進められているという情報もあったが、残念ながら市販化されることはなかった。同様にS-MXのワンメークレースも企画されていたようだが実現することはなかった。

これは『ベストカー』がスクープしたS-MXタイプRだったが市販化されず

市原信幸
1966年、広島県生まれのかに座。この世代の例にもれず小学生の時に池沢早人師(旧ペンネームは池沢さとし)先生の漫画『サーキットの狼』(『週刊少年ジャンプ』に1975~1979年連載)に端を発するスーパーカーブームを経験。ブームが去った後もクルマ濃度は薄まるどころか増すばかり。大学入学時に上京し、新卒で三推社(現講談社ビーシー)に入社。以後、30年近く『ベストカー』の編集に携わる。
写真/HONDA、ベストカー

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市原 信幸
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