最初のひと口目から最後までおいしいラーメン
実際、メニューを見てみると、主軸は醤油と塩、味噌。どれも昔懐かし系のビジュアルである。20代の頃、仲間内で「おいしいラーメンの店がある」という話で盛り上がって、わざわざ車を飛ばして食べに行った頃の思い出が蘇る。
平日の11時半から14時までのランチタイムは麺類に+150円でライス、+300円で半チャーハンを付けることができるが、訪れたのは夜なので、ベーシックな醤油味の「ラーメン」(800円)と「チャーハン」(780円)を注文することに。チャーハンは人気のようで、周りの席からも注文がひっきりなしに入っていた。これは期待ができそうだ。
7、8分くらい待っただろうか。まずはラーメンが運ばれた。見よ! このシンプルな一杯を! 澄んだスープとやや縮れのある細麺の上には、チャーシューとメンマ、ネギ、そして、カマボコ。ナルトじゃなくてカマボコ。これがイイ!
スープをひと口飲んでみると、鶏ガラと野菜がベースのまろやかでやさしい味に心が和む。町中華のラーメンと似ているといえば似ているが、醤油のキレとダシの旨みが見事に調和していて、後味もすっきり。この奥行きのある味わいは町中華のラーメンとは完全に一線を画している。
そして、麺。やや縮れのある細麺で、適度なコシとつるっとしたのど越しも◎。何よりも秀逸なのは、スープとのバランス。これ以上味が濃ければ飽きてくるし、薄ければ物足りなさも残る。ギリギリを攻めているがゆえに最初のひと口目から最後までおいしく食べられるのである。