キンキンをツルツルで東京の夏を乗り切れ!
夏の麺といったら冷麺だって忘れちゃいけない存在だ。冷たいスープにツルツルの麺。これから間もなくやってくる猛暑に絶対食べたくなる3軒を都内のコリアンタウンで見つけてきました。
新大久保は1950年代にロッテの工場ができたことから韓国街として栄えたということは読者の皆さんもご存知でしょう。とはいえ「板橋冷麺」はそんな新大久保ではなく総武線の大久保が最寄り駅。あと店名の“板橋”も埼京線のそれとは異なり、本店がある韓国の地方都市の名前だとか。
それはさておき、冷麺なのである。やけに美肌のオモニが運んできてくれたそれは、水冷麺のスープがシャーベット状。舌の上で溶けると牛骨ダシの風味が立ってくる。麺もよくある噛み切れないゴムゴムしたタイプではなく、細麺だけどしっかりコシがありパツンとした歯切れのよさもクセになる。この日はちょうど真夏を思わせる陽気だったこともあり、この冷たさとさっぱりとした味わいがありがたい。
赤坂・麻布も韓国料理店が軒を連ねているエリア。韓国大使館が近くにあるってことも理由のひとつだろう。そんな赤坂で選んだ店が「C新館」。せっかくだから他の料理も食べたいってことになり、まずはニラチヂミを注文。これが生地の外側はサクサクで中はモッチモチ。油っこさゼロでこんな旨いチヂミにはなかなか出合えないってほどだ。
ニラチヂミ1580円
さらに冷麺にもびっくり。髪の毛といったら言い過ぎだけど、素麺よりももっと細い麺で、噛むと重なり合ったそれらが奥歯でプツプツとリズミカルな音を響かせる。第一次韓流ブームの時には、頻繁にソウルに行って食べ歩きしてたけど、現地の有名店よりずっと旨かった。
続いてハシゴしたのが麻布十番にある「鳳仙花」。席に着くなり、申し訳なさそうに「今日は冷麺終わりました」と接客のお母さん。仕方ないので別日の早めの時間にしっかり予約した上で再訪する。
店に入ったそばから「れ、冷麺、今日は冷麺ありますか?」と、どんだけ冷麺が食べたいんだと不審がられたに違いない。しっかりキープしてもらった上で、ホルモン鍋に挑んでみれば、自家製コチュジャンを使ったスープは程よい辛さと甘みが効いていて酒にばっちり。
ホルモン鍋3200円
最後に作ってもらった冷麺は和のダシも効かせたスープと弾力のある麺で、〆にもってこいの味わいだった。
紹介した3軒はどこも自家製麺を打っていて粉の配合や太さで食感も様変わり。うどんや蕎麦の影に隠れがちだけど、暑さしんどい東京の夏にはキンキンの冷麺だって最高なのです。
撮影/鵜澤昭彦、取材/菜々山いく子
■おとなの週末2025年8月号は「夏こそ、焼酎」 特集
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…つづく「猛暑にさっぱり!都内の絶品冷麺4選」では、厳選した韓国冷麺と、絶品なる盛岡冷麺をレポートしています。