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JR津軽線の今

現在、津軽線として旅客営業を行っているのは「青森駅~蟹田駅間」のみで、蟹田駅~三厩駅間は代行バスによる代替輸送が行われている。青森駅~蟹田駅間を走る列車は、過去には気動車(ディーゼルカー)で運転するものもあったが、今はすべて電車になっている。北海道へと渡る貨物列車は、蟹田駅からそのまま新中小国信号場まで進み、そこから北海道新幹線(海峡線)へと乗り入れて青函トンネルを通り、函館(五稜郭)へと向かう。

大雨災害前の津軽線は、青森駅から新中小国信号場まで進み、そこで海峡線と分岐して津軽線の線路はそのまま直進して、三厩駅へと向かっていた。津軽線の新中小国信号場から三厩駅までは、架線のない非電化区間であり、その風光明媚な景色のなかを、のどかに国鉄型の気動車が走る姿はローカル線ムード満点の世界観だった。

「廃線」が確実なものとなってしまった蟹田駅~三厩駅間。ここに、二度と列車が走ることがないと思うと、鈍く光るレールがなんだか寂し気に思えてならない。それは、“鉄分”過多ゆえの性分だからであろうか。

津軽線の廃止予定区間をゆく国鉄型気動車(キハ40系)。後方の高架橋には現在、北海道新幹線が走っている=2012年8月12日、青森県今別町
津軽二股駅~大川平(おおかわだい)駅間をゆく在りし日の津軽線。ここを列車が走ることは二度とない=2016年3月12日、青森県今別町
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文・写真/工藤直通

くどう・なおみち。日本地方新聞協会特派写真記者。1970年、東京都生まれ。高校在学中から出版業に携わり、以降、乗り物に関連した取材を重ねる。交通史、鉄道技術、歴史的建造物に造詣が深い。元・日本鉄道電気技術協会技術主幹、芝浦工業大学公開講座外部講師、日本写真家協会正会員、鉄道友の会会員。

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