目を引く斬新なエクステリアデザイン
Y34セドリック/グロリアで特筆すべきはそのエクステリアデザイン。「デザイン革命」を合言葉に、世代を飛び越えた斬新なデザインを目指したというだけあって、当時は衝撃的だった。モール類などのパーツによる装飾ではなく、トータルプロポーションで勝負。シャープなエッジとボリューム感のある面は彫刻的な力感を持っていた。既存の高級車の概念にとらわれない自由なデザイン。筆者は当時の日産のデザイナーが「静的だけでなく動的な美しさにもこだわった」と自信満々に語っているのを聞き感銘を受けた。
日産では明言していないが、斬新なデザインを手掛けたのはポルシェデザインというのが既成事実のように語られていた。日のないところに煙は立たない、全部ではないにしろデザイン原案など、なんらかのかたちでポルシェデザインが関与していたのは間違いないだろう。
ただ、グロリアに関してはマイチェン後のフロントマスクがよく言えば個性的、悪く言えばファニーだった。フロントマスクがタヌキのようだったので、筆者は『タヌキおやじ』と呼んでいたが、シャープさは薄れてしまった。
セドリックとグロリアで差別化
セドリック/グロリアはY31以来、上級仕様のブロアム、スポーティ仕様のグランツーリスモでエクステリアデザインを差別化してそれぞれに設定してきたが、Y34ではセドリックがブロアム、グロリアがグランツーリスモのキャラクターを継承。つまりセドリックがラグジュアリー仕様、グロリアがスポーティ仕様という役割が与えられた。
基本デザインは同じながら、フロントグリル(両モデルとも横桟が基調ながらセドリックは 7本の細桟+センターに縦桟 、グロリアは4本の太桟)、リアコンビ(セドリックは赤色、グロリアはクリア)で両モデルを差別化。さらに両モデルはサスペンションのセッティングがキャラに合わせてセドリックが乗り心地重視に対しグロリアはハンドリング重視というかたちで変更されていた。
3L、V6ターボは待望の280ps!!
エンジンは3L、V型6気筒DOHCターボ(280ps/39.5kgm)を筆頭に、3L(240ps/31.5kgm)&2.5L(210ps/27.0kgm)のV6DOHCに加え、4WDモデル専用に2.5L、直6DOHCターボ(260ps/33.0kgm)の合計4種類。NAのV6は日産がNEO Diを命名した直噴エンジンで、型式こそ従来のVQ30DE、VQ25DEと同じながら直噴化により燃費は23%向上。10・15モード燃費はそれぞれ11.2km/L、11.6km/L。正直現在のレベルからすると燃費悪っ!! という感じだが、20世紀から21世紀の進化を痛感する。
最強の3L、V6ターボは270ps/37.5kgmから280ps/39.5kgmに大幅にスペックアップしてファンを喜ばせたが、スポーツセダンとして人気となっていた2代目トヨタアリストの3L、直6DOHCターボは同じメーカー自主規制上限の280psながら最大トルクは46.0kgm!! この点では見劣りしていたのは否めなかった。実際にゼロヨン(0-400m加速)を計測すると14秒台のY34セドリック/グロリアに対しアリストは13秒台の俊足、約1秒の差をつけられた。速ければいいわけではないが、高級セダンに速さを求める人にとってはアリストに軍配。






