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里見駅限定、“まぼろし”の駅弁

JR内房線との乗り換え駅である五井駅から、小湊鐡道に乗って12駅目(五井駅から25.7km)となる「里見駅」(市原市平野)には、“まぼろし”といわれる駅弁が販売されている。なぜ、“まぼろし”といわれるかというと、駅弁を販売する売店が限られた曜日にしか営業していないこと、事前予約優先、販売数量限定だからである。

里見駅に併設される駅喫茶と産直品販売を行う“喜動房倶楽部”〔きどぼうくらぶ〕が運営するこの売店は、平日は営業を行っておらず、土日でも指定日のみ、祝日も営業していないことが多い。例えば、2026(平成8)年7月の営業予定日は、11(土)、12(日)、18(土)、19(日)、25(土)、26(日)と事前告知はされているものの、休業する場合もあるという。営業時間は、午前8時から13時30分ごろまでとある。

ここで販売される駅弁は、「里見駅限定・焼き豚弁当」の1種類のみで、値段はお茶付きで1300円(税込み)※支払いは現金のみ。お弁当の中身は、楕円形の容器に千葉県市原市産の高滝米(白飯)が敷き詰められ、その上に千葉県旭市産の焼き豚がこれでもかと覆いかぶさるように盛り付けられている。付け合わせのレタスもシャキシャキ新鮮で、大根漬物も添えられる。焼き豚は、甘辛な醤油だれを使った味付けで、これがまた白飯に合う。お茶は、昭和レトロ感ただようポリ容器に入れられ、冷たいものか温かいものが選べる。※お茶は入荷状況によってペットボトルの場合あり。

売店が営業している間は、列車の到着に合わせてホームにも臨時売店が出店する。運が良ければ“駅弁”が並ぶこともあるが、数量限定ゆえ訪れる際には「喜動房倶楽部」の注文フォームから、事前予約することをオススメする。なお、予約時点で売れ切れの場合もあるので、これまた運しだいというわけだ。まさに「まぼろしの駅弁」ここにあり、である。

里見駅限定駅弁「焼き豚弁当」。千葉県市原市産の高滝米(白飯)の上に、千葉県旭市産の焼き豚がこれでもかと盛り付けられ、そのボリュームはご覧のとおり。駅弁の掛け紙は、小湊鐡道の車両をデザインしたものが用意される。写真はキハ40形気動車=2026年11月29日、小湊鐡道・里見駅で
里見駅に入線する「房総里山トロッコ号」と、ホームに設けられた臨時売店=写真出典/喜動房倶楽部
里見駅に停車中の小湊鐡道200形気動車。右に写る駅舎は、国の登録有形文化財に指定されている=2025年11月29日、市原市平野

※運転日や運転時刻、運賃・料金、価格等は掲載時点のものです。情報内容については、ご利用になる前に鉄道事業者のホームページ等でご確認ください。

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文・写真/工藤直通

くどう・なおみち。日本地方新聞協会特派写真記者。1970年、東京都生まれ。高校在学中から出版業に携わり、以降、乗り物に関連した取材を重ねる。交通史、鉄道技術、歴史的建造物に造詣が深い。元・日本鉄道電気技術協会技術主幹、芝浦工業大学公開講座外部講師、日本写真家協会正会員、NPS会員、鉄道友の会会員。

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