草津古来伝統入浴法を模した“リゾート時間湯”と「湯蒸し」体験で効果を実感
プログラムの核となるのが「リゾート時間湯」と「湯蒸し」体験だ。
この施設がもつ源泉と設備を生かした独自の入浴体験で、日帰り利用もできる温泉とプール施設をもつ「テルメテルメ」の一角の「わたの湯」と呼ばれる浴場で行う。
肩紐を結ぶタイプの湯浴み着を来て、草津湯もみ唄を歌いながら湯もみ板でお湯を揉み、その後、湯に浸かる。
4つに区切られたマスは、熱い方が44〜44.5℃、入りやすい方でも42〜43℃ある。
草津町では「安全上の理由」から、かつて「地蔵の湯」で行われていた時間湯の温度を下げ、2021年には時間湯と湯長制度を廃止してしまった。
近年体験した42℃の時間湯にガッカリした経験があっただけに、「テルメテルメの時間湯も形だけかな」と思っていたが、その温熱効果に驚いた。
神棚のある空間は厳かで、木の湯船も本格的。昔ながらの47、48℃の時間湯には及ばないものの、44℃はパンチがある温度帯でピリピリとした刺激を感じた。酸性泉をジワジワ効かせる、伝統の時間湯の文化がそこにあった。
「わたの湯」という名称通り、綿の湯源泉を引いている。「やわらかい源泉で、体質改善などに訪れる方が多いです。共同浴場での時間湯がなくなり、こちらに流れてきた人もいます」と話すのは、スタッフの松村あかねさん。元々はエステシャンだったという。
彼女の指示に従い、湯もみで準備運動をして、最初に15杯、足に温泉をかける。さらに頭にタオルを巻いて30杯、かぶり湯をする。こうすることで、頭の毛細血管まで血流が届き、のぼせや脳貧血などによる入浴事故を防ぐ効果があるという。
その後、膝までの部分浴3分、みぞおちまでの半身浴3分。肩までの全身浴3分。全体で25分の時間内で、無理なく反復浴を繰り返せるよう工夫されている。
最後はTシャツ・短パンに着替え、ふかふかの布団に包まれて30分横になるまでが「湯蒸し体験」のメニューだ。ハーブティーもついている。
布団で包まれている間は、スタッフが氷水で冷やしたタオルで目と口の周りを何度も冷やしてくれる。アロマの香りが心地よく、血流が促進され、全身がすっきりと生まれ変わったようだ。
江戸時代から続く伝統的な入浴法「湯もみ」と「時間湯」は、強い酸性の湯を水で薄めずに入るための先人たちの知恵。かのベルツ博士は熱いお湯に工夫を凝らして入る入浴文化に対して、「日本人はかくも周到に湯に入る」と驚嘆したという。
「湯もみ」は熱乃湯で湯もみショーとして残っているが、「時間湯」が体験できるのは限られている。時間湯+湯蒸しの効果は想像以上で、これだけでもこの地を訪れる十分な価値を感じさせた。




