5回のスマートパルス測定で自分の体調と向き合う
最初の講義では「草津温泉は自然に湧き出す温泉が毎分3万2000リットル。これは日本一の湯量です」と中澤社長から草津温泉についての講義を受け、温泉への期待は否が応でも高くなる。
ホテルヴィレッジでは、草津の象徴といわれる湯畑源泉(52.3℃、p H2)、最も酸性度が高い万代鉱源泉(94.6℃、p H1.7)、柔らかい肌触りの綿の湯源泉(51.1℃、PH2.11)の3つの異なる湯を味わえるのもいい。
「恋の病以外、効かないものはない」といわれる温泉の薬効は入るとそのすごさがよくわかる。一度入るだけで体のこわばりがほどけ、疲れが抜けていくからだ。でも、草津の湯の本領は、心の凝りがとれることだと思う。その結果も測定機器で数値として表れてきたのが面白かった。
このプログラムでは、2泊3日の滞在中に計5回、スマートパルスという脈波計で測定を行った。指先に特殊な光を当てて、毛細血管の微細な拍動や血流を読み取ることで、自律神経の状態やストレス度、血管の弾力性などが分かるらしい。
結論から言うと、到着時にはストレス度がかなり高く、ストレス対処能力も低い状態だったが、滞在とともにストレス点数は「良い」方向へ、対処能力も上がっていった。
自律神経バランスは、朝は交感神経が優位で、温泉に入ると副交感神経が優位になる傾向があったが、最終日は朝から副交感神経が優位の状態へと傾いていた。頻繁に数値を取ることで、変動する身体の変化が手にとるようにわかり、興味深かった。
体内リズムが乱れている自覚はあったが、1泊目の時点では「精神的ストレス」までは改善しきれなかった。しかし、2泊過ごすことで心理面にまで良い変化を及ぼす結果が出たため、疲れがたまっている人には長めの滞在がよさそうだ。
なかでも心身のリフレッシュに貢献したと感じたのが、朝の散歩だ。体内時計を元に戻すためには「太陽の光を5分以上浴びるといい」とのことで、ホテルが宿泊者向けに行っている無料の朝の散歩に参加した。
この日のガイドは世界の森を知る、高山正明さん。「草津の森は明るいのが魅力。森に入り、匂いをかいだり、木に触ったり、音を聞いたり、五感を活性化させると元気になります。自然に触れないと脳がエラーを起こすという研究結果もあるんです」と、自然がもたらす効用を力説する。
近くにある品木ダム水質管理所 草津中和工場では、石灰で酸性泉を中和して川に流しているところを見学した。草津では水が希少で、臭い水(くさみず→くそうず)から「草津」と名付けられた地名の由来なども聞き、土地がより身近になった。
中和工場で行っている「百年石」制作は、草津温泉の強い酸性の性質を利用したクラフト体験。石灰石にペンキで絵や文字を描き、草津温泉に数日浸すと、描いた絵が立体的に現れる。工場にはいくつも作品が飾られている。次回はぜひ挑戦したい。





