武蔵野の生んだ最大のヒーロー、と言えば新選組ではないでしょうか? 今でもその人気は衰えず、変わらず映画やドラマの題材になり続けている。まさにこの連載の掉尾(ちょうび)を飾るに相応しいテーマと言えるでしょう。
新選組局長、近藤勇の生家跡とお墓へ
ただし書こうとしたら中身が多過ぎて、分量的に1回だけではとても収まりそうにない。なので今回に限って、「前・後編」に分けたいと思います。ただ、昼食として摂ったのは1回だけ。おかげで「路線バスグルメ」というタイトルにもかかわらず、今回の「前編」では食事の話は一切、出て来ません。悪しからず、ご了承くださいませ……。
実は私の雑誌記者稼業の師匠であり、「講談社最後のトップ屋」と呼ばれた中里憲保(なかさとのりやす。通称「ケンポ」)大将は新選組副長、土方歳三の血を引く末裔。大将は北海道札幌の出身だけど、歳三が没したのは箱館五稜郭の闘いの最中でしたからね。
なのにその土方家のお墓が東京都日野市にあるというのに、これまで行ったことがなかった(汗)。師匠不孝もいいとこです。今回の企画のおかげでやっと、長年の本懐を遂げられることになりました。
てなわけで、やって来ました、京王線の調布駅。こたびの連載、第2回ではこの町自体を目的に回りましたが、今回は単なる出発地。北口の乗り場から、京王バスの「武91」系統に乗り込みます。これで新選組局長、近藤勇の生家跡(調布市)とお墓(三鷹市)に行くことができる。
実は当初、遠い方の土方歳三ゆかりの場所から先に回って、徐々に近場に戻って来るコースも考えてた。ところがその生家跡でもある「土方歳三資料館」は通常、第1、第3日曜と月に2回の開館であることに加え、開いているのも12時から16時まで、と極めて短いことが分かった。12時から回り始めたりなんかしたら、昼食を摂れる時刻はいつになってしまうの!? そんなわけで近場の、近藤勇の方を先に回ることにしたわけだ。