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ハンバーグ・オムライス・ナポリタンの元祖店から人気店までひたすら食べ歩いた「おとなの週末」編集武内とケチャップLOVEのライター肥田木奈々が調査の裏話をガチンコトークいたします。

昭和のナポリタンは麺の炒め方が大事

武内(以下武)「実は僕、ハンバーグやオムライスは好きでよく食べるんですが、ナポリタンってどの店もあまり味が変わらない印象があったんですよね」
肥田木(以下肥)「いやいや、違いますよ! 麺の太さやモチモチ感、炒め具合、ケチャップ味か自家製トマトソースか、それら全体が織り成すバランスとかね、奥が深いんですっ、日本生まれのナポリタンつーもんは」
武「そうなんですよね。今回、改めて麺の扱い方や炒め方で味が大きく左右するんだと実感しました。アルデンテ風に茹でた麺をよく炒めずにケチャップでサラリと和えただけの店はやっぱイマイチでしたもん」
武「ほぉ、そうなんですね。 ところでナポリタンの旨い店はオムライスも旨いと思いません? やっぱり炒め方のこだわりが共通するからでしょうか」

肥「確かに。広尾の『コニシ』は店主がオムライスを作る時、全身を大きく使って炒める姿が真剣そのものだった。洋食屋さんって体力勝負だと感心しましたね」

『レストラン コニシ』のオムライス

武「コニシはシンプルな薄焼き玉子タイプですが、半熟玉子のデミグラスソース系では西小山の『杉山亭』も実力を感じました。全体がとろっとリゾット風の味わいで本格的。ケチャップもグレートの高いものを使っているそうですよ」

『杉山亭』のオムライス

肥「私のおススメは馬車道の『グリル・エス』。中のケチャップライスに高級ロースハム&エビがお宝のようにザクザク入って、量もすんごいの」

『グリル・エス』のオムライス

武「ハンバーグなら83歳のおじいさんとその息子さんが作る三越前の『レストラン桂』も印象深かったです」
肥「同感。料理がどれも美味しくて酒のつまみになるから、洋食屋で一杯もいいですよ。50年来の常連グループも多く、恒例の宴会では、最初に『今年は誰々さんがお亡くなりに…』って黙とうから始まるんですって」
武「へえ、それだけ店に長く通っている人が多いってことだ。愛されているんですねえ」
肥「その通り。今回は昭和がテーマだから、味はもちろん店の雰囲気や歴史、根底に流れる物語も感じたいですもんね」

『レストラン 桂』のハンバーグステーキ玉子付き

 

武「経堂の『ウルトラ』 も物語がありますよ。下北沢で長年愛され、惜しまれつつ閉店したハンバーグの人気店があったんですが、店主が亡くなって数年後、息子さんが味を受け継いで始めた店がココなんです。開業日は亡き父の誕生日。天国でお父さまも喜んでいるでしょうね。もお、泣けちゃいます」
肥「あらら結構乙女なのね。どう見てもヒゲ面オヤジなのに」

『洋食バル ウルトラ』のハンバーグステーキ温泉玉子付き

武「ムキー! 昭和から受け継がれる味って、それだけ愛される理由があるんですよ。でも高齢の店主が多いからか取材拒否もありました。三軒茶屋『A』 と浜田山『R』は一切取材を受けてないそうですが、千駄木の『M』は電話で『おと週』と伝えたらガチャ切り(苦笑)。ハンバーグ、旨かったんだけどな」
肥「ひえ~。それオトナとしてどーよ? じゃあ私のダメな店の話も聞いてくださいよ。ナポリタンが人気の五反田の『P』で瓶ビールを頼んだら、賞味期限が数日過ぎてたの!」
武「ウソ、あり得ないですね」
肥「すかさず刑事のように粉チーズも捜査ですよ。なんと疑惑の期限部分はテープを張って隠してた。それにね、店内が蒸し暑くって近くの扇風機のスイッチを入れたら、店員が飛んで来て無言でオフにされた。くっそぉーっ」
武「そのやり取り、現場にいたら絶対吹き出す(笑)」
肥「ちなみに味もクドくて却下。でもね、たとえ美味しいとしてもそんな店、信用できない。それに比べて今回の星付き店は真面目さが伝わる店ばかりです」
武「洋食ってソースひとつでも仕込みの作業が多いでしょう?影の努力を知った上でいただくと旨さが倍増しますよね」
肥「本当に。昭和の味と趣に、どっぷり浸ってほしいです」

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部
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