1回戦、2回戦から激戦の連続!
サバイバルラウンドは1回戦〜3回戦を1日で一気に実施。それぞれ3名による対戦となり、最下位のシェフと、そのシェフが指名した2名で争います。1位になったシェフだけが残り、あとの2名はその時点で脱落。関東・甲信越エリアでは、3回戦で1位、2位となったシェフが全国大会への切符を手にします。
1回戦は、最下位の白鳥シェフが、佐藤シェフ、根本シェフを指名し「これまでにない卵料理」で激突。試食順や使用するブース(キッチン)、そして審査員の試食順はくじ引きで決定します。
ここは「Eggs Benedict(エッグベネディクト) ブルターニュの風」を作った根本シェフが1位通過。会津産そば粉を使ったガレットに、東京烏骨鶏卵で作ったポーチドエッグなどをのせた一品で勝利をもぎとりました。
続く2回戦は「これまでにない唐揚げ」。この時点で最下位の小島シェフが1位の高木シェフと、3位の鄭シェフを指名。同門である志田シェフとの戦いを避けたのでした。
1回戦、2回戦も調理の制限時間は30分。この制限時間もまた「CHEF-1グランプリ」の醍醐味のひとつ。
別室で調理を行った予選ラウンドと違って、サバイバルラウンドは特設スタジオで審査員が見つめる中作っていきます。普段オープンキッチンで調理されてるシェフであっても、この特殊な環境下での調理はさぞ緊張するでしょう。
限られた条件の中で、完成に向けて神経を研ぎ澄ませていくシェフたち。それでも大抵のシェフが残り時間ギリギリまで調理。果たして間に合うのか!? と見ていてハラハラドキドキ。この臨場感は現地ならでは。役得です。
ちなみに、審査員は厨房のきれいさもチェックしていた。それも考えると、気が抜けない。なかなかに熾烈であります。
2回戦の審査基準は「オリジナリティ」。ありふれた唐揚げ料理をいかに自分らしく作れるかを審査員はジャッジしました。神田さんが「本当に悩みました」という接戦を制したのは、鄭シェフ。
「じゃこのタッカンジョンと韓国風セビーチェ」という一品で、韓国チキンをベースに甘じょっぱく味付け。それをセビーチェにつけていただきます。本来、魚介類のマリネであるセビーチェですが、野菜で作り上げ、ほかにはないものに仕上げていました。
神田さんは開口一番「これ、好きですねぇ」と満面の笑み。新鮮な野菜とワイルドに刺さった鶏肉のビジュアルのコントラスト、鶏の油を流すセビーチェなどを称賛した。
1位通過が決まったとき、小さくガッツポーズ。予選ラウンドからその独創性が光っていた鄭シェフが、ここでもルーツの韓国料理を生かした個性のあるひと皿で3回戦へコマを進めました。
接戦に持ち込んだ小島シェフは「KOBATEMATA 〜つまみ食い〜」という一品。熱々の唐揚げが大好きだからこそ、それを超えるのは難しい……ならば冷たくしようと着想。皮のサクサクさ、身のジューシーさを分解し、再構築。
揚げた鶏皮、手羽先をブイヨンで炊いてほぐしたファルス(詰め物)などを、ひと口で食べられるよう盛り付け。
逆から読むと「玉手箱」ということで、試食前に漆塗りのお重にダシをかけてスモークのような演出をしてから審査員にサーブします。
瀬川さんは「玉手箱を開けたときのワクワク感があった」と心を捕まれ、食べてからも「フレンチらしい洗練された唐揚げ」と評価。
神田さんは「構成力が素晴らしい」とした上で「唐揚げだから全体を揚げで勝負してほしかった」とチクリ。「オリジナリティ」が審査基準ではあるものの、これはそれを超えてしまってると語ったことからも、それが勝敗の分かれ目になったかもしれません。