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かつて「偏差値29」から東大理科二類に合格した伝説の東大生がいました。杉山奈津子さんです。その日から十うん年……現在は、小学生から高校生までを指導する学習塾代表として、心理学から導いた勉強法を提唱しています。その杉山さんが、受験生を持つ親に贈る「言ってはいけない言葉」と「子どもの伸ばす言葉」。近著『東大ママの「子どもを伸ばす言葉」事典』から一部を抜粋し、新学期へ向けて集中連載でお届けします。

相手が受け取るインパクトから、表現を変えてみる

同じ量のことを言っていても、表現の仕方によって人は受け取り方を変えます。栄養ドリンクで、「タウリン1000ミリグラム配合」というように表現をしている広告を見かけます。「1000ミリグラム」は、本来ならば「1グラム」と表記することが多いでしょう。

しかし、1グラムと書くと、ほんの少しだけしか入っていないように感じてしまいます。

ですから、1000ミリグラムという大きな数字を使うことで、インパクトを与え、たくさん入っているように思わせているのです。

数字のマジックで、子どものやる気を引き出す

ビタミンCに関しても、よく、「レモン10個分」という表し方がされます。レモンは、ビタミンCを大量に含んでいる果物の代表のようなイメージがありますよね。しかし、実際はそこまで多いわけではなく、ビタミンCの含有量としてはどちらかというと、イチゴやキウイのほうがたっぷり入っています。

一般的に、レモン1個分のビタミンC含有量は、1個あたり約20ミリグラムとされています。10個であれば200ミリグラムほどでしょう。それでも、「ビタミンC 200ミリグラム配合」「イチゴ10個分のビタミンC」などと表記するより、「レモン10個分のビタミンC」と言われたほうが、なんだかたくさんのビタミンCが摂れる気がするものです。

ほかにも、商品を1000円ではなく、あえて998円と3桁にとどめるテクニックがあります。たった2円しか変わらないにもかかわらず、消費者は「安い」と感じてしまうのです。

人間の脳は、表記の仕方によるイメージにより、「量が多い」「少ない」という受け止め方を変えるものです。それならば、子どもにやる気を出させるために、こうした数字のマジックを活用しない手はありません。

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子どもの負担が軽くなる言い方を心がける...
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