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お釈迦様の弟子のエピソード

答えは、(3)の「茗荷」(みょうが)です。

茗荷

「茗荷を食べると物忘れがひどくなる」という言い伝えには科学的根拠はありません。それどころか、茗荷に含まれる香気成分である「アルファピネン」は、発汗を促し、食欲も増進させるといわれ、むしろ脳を活性化させる働きがあるようです。

それでは、どうして「物忘れがひどくなる」という言い伝えが広まったのでしょうか。その由来の一つとして、次のような説があります。

お釈迦様の弟子であった周利槃特(しゅりはんどく)は、自分の名前すら忘れてしまうほど物覚えが悪い人でした。そのため名前を書いた木札を背中に荷(にな)い、名前を聞かれると背中を指さして教えていました。自分の愚かさを嘆き悲しむ周利槃特に、お釈迦様は「塵(ちり)を払い、垢(あか)を除く」という言葉と掃除を与えました。

周利槃特は、毎日その言葉を唱えながら掃除をし続けました。そしてついに、落とすべき塵・垢とは心の汚れだと悟り、すべての煩悩を滅し、阿羅漢果(あらかんか:修行者の最高位)を得たと言います。周利槃特の死後、お墓から見たこともない草が生えてきました。自分の名を背負いながら掃除をし続けた周利槃特にちなみ、その草を『名を荷う』という意味で「茗荷」と呼ぶようになったそうです。茗荷を食べると物忘れがひどくなるという言い伝えは、この周利槃特の逸話から来ていると言われます。

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落語にもなった茗荷の“物忘れ”...
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圓岡太治
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