「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」
答えは、(3)で、脂肪細胞には、脂肪を燃焼させて体脂肪量を減らすものがあります。
脂肪細胞には、「白色脂肪細胞」と「褐色脂肪細胞」の2種類があります。このうち白色脂肪細胞には、過剰なカロリーをおもに中性脂肪として細胞内に蓄えるはたらきがあります。体脂肪の正体は、この白色脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪なのです。
一方、褐色脂肪細胞は、脂肪を燃焼させて熱に変え、体温を維持する働きがあります。両者は正反対のはたらきをし、褐色脂肪細胞のはたらきが活発だと太りにくく、逆に活発でないと太りやすい体質だと言えます。褐色脂肪細胞は脂肪細胞のうち約1%ほどしかないと言われています。幼児期に多く、成長するとともに減少し、成人になると激減してしまいます。
白色脂肪細胞は脂肪を取り込み、肥大します。しかしある程度大きくなると、それ以上脂肪を取り込めなくなります。すると脂肪細胞の数を増やして脂肪を蓄積するようになります。やっかいなことに、白色脂肪細胞の数は、いったん増えるとなかなか減ることはありません。白色脂肪細胞は約10年という長い寿命をもつためです。ダイエットをしても、細胞内の中性脂肪は減りますが、白色脂肪細胞の数自体は減ることはありません。したがってひとたび白色脂肪細胞の数が増えてしまうと、太りやすく痩せにくい体質となってしまいます。
白色脂肪細胞の数は普通の体形の成人で250~300億個と言われています。白色脂肪細胞の数がもっとも増えるのは、胎児期、幼児期、思春期、妊娠中です。したがって、妊娠中は別として、このような時期に肥満体質にならないように、特に子どもの親は心がけることが大事です。