福岡・今泉エリアに鉄板中華酒場がオープン。暖簾がかかっていながら、中はネオン管の色も相まってポップな印象。ネオ酒場の装いです。そんな鉄板中華酒場はおひとりさまも安心の小皿料理をラインナップ。一体どんな料理がいただけるのか。実食ルポです。
画像ギャラリー九州最大の繁華街・天神の南側に位置する今泉。商業ビルが建ち並ぶ天神とは異なり、マンションや民家が多く、道も細い。あちこちに路地があり、そこここに個性的な店が点在しているので、感度の高いおしゃれ女子や男子が行き来する街だ。
その一角に、オープンしたのが鉄板中華酒場『ニュー ASIA 13』。メニューの中心は中華だが、これまでの「中華料理」とはイメージが随分違う。ポップなカフェのような店の入り口には、「鉄板中華」「中華酒場」ののれんが客を迎える。普通の中華とはちょっと違うぞ、と予感させる佇まいだ。
従来の中華は、大皿料理を大人数で囲むイメージだが、『ニュー ASIA 13』は、ひと皿ごとのポーションが小さく、ひとりでも、ふたりでもいろいろな料理をオーダーして味わうことができるのだ。
タイル張りや鮮やかなネオン管のインテリア、ステンレスのカウンターのオープンキッチンなど、見ているだけでは中華っぽさはない。しかしメニュー自体は、台湾屋台料理を中心にオーソドックスな中華料理や点心なども豊富。ずらりと並んだメニュー表を見ていると、ワクワクしてくる。
オープンキッチンから生まれる絶品料理の数々
まずオーダーするなら「餃子」は外せない。「羽根つき黒豚焼餃子」(5個490円)だ。パリッと香ばしい羽根つきの餃子は、手包みであんがたっぷり。噛むと肉汁があふれて口の中を満たす。ニンニクは不使用だそうだが、旨みはしっかりある。他にも点心などがいろいろ揃っているのでこちらもチェックしてほしい。
「よだれ鶏」(630円)は、四川料理ながらこの店の人気メニューだ。甜麺醤や豆板醤など中華の調味料を巧みに使ったタレは、パンチがある複雑な辛味が病みつきになりそうだ。
しかし、それ以上に魅力なのは、しっとり柔らかな鶏肉のおいしさ。ブランド鶏の華味鶏を使っていて、その旨みを生かすために丁寧に処理しているそうだ。
「あ、意外に辛い! でもおいしい」。辛味の効いたタレが、鶏肉の持つ甘味を際立たせる。小皿料理だが満足感が大きく、種類が豊富なビールやアジアのお酒類との相性も抜群だ。
料理に刺激が欲しくなったら「激辛麻婆豆腐」(980円)にチャレンジすべし。こんもり盛り込まれた唐辛子を避けながら、豆腐をひと口。厳しい辛さに舌がピリピリするが、もうひと口食べたくなる旨みもある。「辛い、でも旨い」と言いながら、旨辛を味わえるのも中華料理の楽しさだ。もちろん、普通の辛さの麻婆豆腐もあるので、そこはお好みで選んでほしい。
他にも、牡蠣と台湾の干し大根がたっぷり入った「台湾牡蠣オムレツ」(880円)や、極細麺を鉄板で香ばしく焼き上げる「オイスター焼きそば」(790円)も、鉄板酒場ならではのメニューだ。
どちらも、リピート間違いなし。手早いプロの調理風景が眺められるのも、オープンキッチンの醍醐味だ。
ランチから夜のちょい飲みまで、気軽に利用できる
この店では、冷蔵庫にずらりと並ぶアルコール類から客が自分で選ぶことができる。ジャケ買いのように、ラベルがかわいいドリンクや色が鮮やかなものを、気分で選ぶのもいいかもしれない。
そんなアルコール類のメニューが多いのも魅力のひとつだ。
例えば、日本でも有名な青島ビールが5種類も用意。また、紹興酒を炭酸で割った「ドラゴンハイボール」や台湾のウイスキー「カバラン」を使った「カバランハイボール」は、中華料理にもよく合うドリンクだ。フルーツサワーやナチュラルワインの種類も多いので、いつもと違うお酒にチャレンジするのもいいだろう。
また、ランチメニューも豊富。こちらは、小皿料理ではなく、ボリュームがしっかりしている。そのひとつ「トマト担々麺」(1100円)は、ご飯、小鉢、ザーサイ、デザート付きだ。夜とはちょっと違う表情が見え、カフェのような気軽さで利用できる。
買い物帰りに、仕事終わりに、友達との待ち合わせ時でも、ひとりの時でも、天神の近くにあるカフェのような中華酒場は、いろんな利用の仕方ができそう。お腹が空いたら、フラリと訪ねたい。
ちなみに、2階は本格的なバーになっている。興味があればそちらものぞいてみては。
■『ニューASIA13』(ニューアジアジュウサン)
[住所]福岡市中央区今泉1-3-13
[電話番号]092-401-1312
[営業時間]11時〜15時(14時LO)、17時〜23時(22時フードLO)
[定休日]無休(年末年始を除く)
[交通]西鉄大牟田線薬院駅より徒歩5分
取材/牛島千絵美 撮影/松隈直樹
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