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へしこのぬかを再利用した調味料からさまざまな加工品が誕生

福井市といえば「一乗谷朝倉氏遺跡」など、見どころがたくさん! そこへサバのお弁当を携えて向かうのはいかが?

福井市内に2店舗を展開する「食のセレクトショップ『日々色々』」は、市内で高い人気を誇る飲食店のお弁当や、福井ならではの食材を使った加工品を取りそろえたお店。

食のセレクトショップ『日々色々』二ノ宮店。スタイリッシュな空間に、見た目もおしゃれなお弁当がズラリと並ぶ
食のセレクトショップ『日々色々』二ノ宮店。スタイリッシュな空間に、見た目もおしゃれなお弁当がズラリと並ぶ

サバのお弁当もいろいろありますが、なんといってもジェンヌイチオシは「へしこ飯」!

リピーター続出、お店の看板メニューでもある「へしこ飯」(450円/製造所直売価格)
リピーター続出、お店の看板メニューでもある「へしこ飯」(450円/製造所直売価格)

福井ならではの郷土料理・へしこ(サバのぬか漬け)を使った調味料「食べるへしこオイル」を使ったお弁当だ。

食べるへしこオイルは、日々色々を運営する「Fumidas」代表である宮守雄也さんが開発した商品。たんにへしこをオイルに漬け込んだわけではなく「へしこのぬか」を使用しているのが大きな特徴だ。

福井市内で多くの飲食店のプロデュースに関り、人気店として育てあげてきた宮守さん。じつは無類のへしこ好き。

かねてから、へしこ好きとして気になっていたことがあった。へしこは、塩漬けしたサバを、ぬかに漬け込んで作られる。当然ながら、ぬかにもサバの旨みが浸み込み「絶品のぬか」になっているにもかかわらず、多くは廃棄されている。

そんな「へしこのぬか」を何か利用できないかと考えた宮守さん。新たな「旨み調味料」の開発にチャレンジした。

使用するへしこは、「絶品のへしこ」として多くのファンをもつ『民宿かどの』(小浜市)のへしこ

おおおお。かどののへしこ!! 知ってますとも、大好きですとも!

脂のりのよい国産のサバを使用し、地元・小浜の農家が無農薬で栽培したお米のぬかを昔ながらの技を駆使して1年じっくり漬け込んで仕上げる。

加えるのは塩と、トウガラシのみ。美しい飴色に仕上がったへしこは、芳醇な旨みをたたえつつも、どこかキリリとした味わい。ジェンヌもファンだ。あのへしこのぬかなら、おいしさ間違いナシ! 

宮守さんは、ぬかを低温乾燥させて旨みを凝縮したパウダー状の「魚塩」などさまざまな加工品を開発。「魚塩」は、ご飯にかける、ダシ代わりに使う、刺身や焼魚につけたり、ドレッシングにちょい足ししてもバツグンに美味しくなる魔法の粉だ。

へしこのぬかをパウダー状にした「魚塩」(左/850円)。まさに「旨みのかたまり」。へしこのぬかのふりかけ「鯖の寝床」(右/850円)も
へしこのぬかをパウダー状にした「魚塩」(左/850円)。まさに「旨みのかたまり」。へしこのぬかのふりかけ「鯖の寝床」(右/850円)も

そして、「食べるへしこオイル」。「へしこをまるごと1匹買っても、使いきれなかったり、料理法がわからないという方に、手軽に使ってもらえる商品があれば、と考えました」と宮守さん。

「食べるへしこオイル」(880円)。アンチョビ感覚で使うと旨みアップ。韓国唐辛子入り、青唐辛子入りもあり
「食べるへしこオイル」(880円)。アンチョビ感覚で使うと旨みアップ。韓国唐辛子入り、青唐辛子入りもあり

グレープシードオイルにへしこのぬか、ニンニク、白ゴマをプラス。

さらに宮守さんならではのこだわりがある。おしゃれな瓶を開けてみると、ゴロンと大きなへしこの身……ではなくサバそのものの身!

「ぬかにもへしこが入っていますが、サバの身の味わいも楽しんでいただきたくて」と宮守さん。生のサバの皮目を炙って、酢で〆たものをカットして入れ込んであるのだ。「焼きサバではなくて、生のしっとりした食感がわかる炙りサバをおいしいオイルで食べてもらいたい」という配慮だ。

食べるへしこオイルには炙ったサバの切り身がゴロンと入っている。ほぐしてぬかとともに召し上がれ
食べるへしこオイルには炙ったサバの切り身がゴロンと入っている。ほぐしてぬかとともに召し上がれ

食べるへしこオイルは、ごはんにのせるのはもちろん、パンにのせたり、パスタに使ってもおいしく仕上がる。「いわばアンチョビのイメージで使っていただけるといいかと思います」と宮守さん。

そのまま食べてみると、まろやかなコク、やさしい甘み、単調ではなく複雑なグラデーションを描く旨み。身を崩し、ぬかと全体を混ぜるとまたフレッシュ感のある「レアな」味わいに。へしこのぬか恐るべし。

そんな魅惑的な、食べるへしこオイルを使ったお弁当が「へしこ飯」。いろいろなバージョンを用意しているが、今回ご紹介するのは「とうもろこしと枝豆のピリ辛へしこ飯」。ごはんを食べるへしこオイルとともに炊き込み、スイートコーンと枝豆を混ぜ、マグロ節の醤油漬けをトッピング。キャベツの山椒炒めを添えたお弁当だ。

デビュー早々、大人気。毎日完売というからすごい

「とうもろこしと枝豆のピリ辛へしこ飯」。女子にも大好評
「とうもろこしと枝豆のピリ辛へしこ飯」。女子にも大好評

さっそくいただきます!

「うまいっ!」ドストレートに叫びたくなる味。オイルの効果でチャーハン風な仕上がり。でも、そんなに単純なものではなくて、へしこの旨みが奥深い風味を醸し出す。

アンチョビだと「パンチ」のある味わいになるけれど、へしこだと「マイルドでやさしくジワジワ旨みがあっちこっちからやってくる」感じ。コーンと枝豆との相性がいいのも驚き。追いかけるようにコクをプラスするマグロ節もいい感じ。そして、キャベツの山椒炒めがまたまた、へしこ風味にとんでもなく合う!

完成度の高さはへしこオイルのなせる技!

ふわっとした厚切り食パンの上に、自家製の食べるへしこオイルをのせてたっぷりチーズをかけた「へしこチーズトースト」も人気商品だ。

「へしこチーズトースト」(330円/製造所直売価格)。とろけるチーズとへしこの組み合わせは最高! ワインがほしくなる味わい
「へしこチーズトースト」(330円/製造所直売価格)。とろけるチーズとへしこの組み合わせは最高! ワインがほしくなる味わい

ぜひとも、「福井へしこピクニック」を楽しんでいただきたい。

■『日々色々 二ノ宮店』
[住所]福井県福井市経田1-707
[電話番号]0776-28-9050
[営業時間]11時~19時
[休日]不定休
[交通]えちぜん鉄道三国芦原線八ツ島駅から徒歩20分
https://www.instagram.com/hibiiroiro291/?hl=ja
※福井市役所前に本店あり
※「食べるへしこオイル」、「へしこ飯」、「へしこチーズトースト」、「魚塩」などはお取り寄せ可能
https://uoshiojapan.official.ec/

■池田陽子
全日本さば連合会広報担当 サバジェンヌ/薬膳アテンダント

サバを愛する消費者の集まりである「全日本さば連合会」(全さば連)の広報を担当。日本各地のサバ情報の発信、サバ商品のPR、商品開発等を行う。北京中医薬大学日本校を卒業、国際中医薬膳師資格を持ち、薬膳アテンダントとしても活動。水産庁「海の宝!水産女子の元気プロジェクト」認定メンバー。著書に『サバが好き!~旨すぎる国民的青魚のすべて』(山と渓谷社)、『ゆる薬膳。』(日本文芸社)など。全さば連HP:http://all38.com/

取材・撮影/池田陽子

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池田 陽子
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