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二代目げんこつ屋としての復活

「げんこつ屋」が幕を閉じてから3年経ったある日、私たちは「一本の道」で匡仁さんとお会いしました。匡仁さんは「親父がいなくなって、改めて親父の偉大さを感じました。まだ3年ですが、父親が歩んだ創業の苦労というものを少しだけ経験できたような気がします」とのこと。

二代目の関川匡仁さん

岩岡(館長)は「お父さんが作り上げたこのラーメンを伝え続けることが私たちの使命でもあります。げんこつ屋の味を待っているお客さんも多くいるので、ラー博でげんこつ屋を復活しませんか?」と問いかけました。

しかし匡仁さんは「まだまだ父親の域には達していない。げんこつ屋という看板でやるのはまだ早い」との理由で断られました。

私たちは諦めずにその後も幾度となく匡仁さんを訪ねたある日、匡仁さんから「げんこつ屋の味を待っているお客さんに応えたい、そして親父の志を伝えたい。けど、げんこつ屋の看板はまだ重いので、“二代目げんこつ屋”としてなら出店を考えたい」との返事をいただきました。

岩岡館長と関川匡仁さん

こうして2011年4月20日、二代目げんこつ屋として関川さんの味がラー博に復活を果たしました。

ラー博に復活した「二代目げんこつ屋」外観(2011年撮影)

16年ぶりに「げんこつ屋」復活

今回のあの銘店をもう一度では、二代目ではなく「げんこつ屋」として復活していただきます。げんこつ屋は2007年に幕を閉じているため、実に16年ぶりに復活するということになります。

新横浜ラーメン博物館のげんこつ屋内観(1994年撮影)

匡仁さんからも「“げんこつ屋”の看板として恥ずかしくない味を提供します。この16年、親父に追いつこう、追い越そうとか色々考えましたが、肩ひじ張らずに、シンプルに“親父の志と味を伝える”という想いをもって臨みたい」とのことです。

げんこつ屋のラーメン、1994年当時の味

今回の企画のコンセプト通り1994年当時の味を再現します。

匡仁さん曰く「大きく変わっているわけではないのですが、脂の量や、スープのブレンド等、細かい点です。とにかく初心に戻り、親父を思い浮かべながらラーメンを作りたいです」

【スープ】
鶏・豚・香味野菜をじっくりと時間をかけて白濁させた創業以来の白湯スープに、げんこつ屋の代名詞“マグロ節”と利尻昆布からとった和風スープをブレンド。関川さんが研究に研究を重ねて編み出した料理としてのスープです。

スープ

【麺】
げんこつ屋の麺はかんすい少なめの多加水(麺に加える水の量が多い)麺。昨今、コシや硬さばかり注目されますが、ソフトでもちもちとした食感でコシのある麺はスープと絡んだ時、最高のハーモニーを奏でます。

【具材】
具材はシンプルではありますが、一番気にかけているのはチャーシュー。やはりラーメンの具材の王道はチャーシュー。豚の選定から調理方法、そしてフレッシュさを大事にしています。そして脂。時代と共に脂の量を減らしましたが、今回は94年当時と同じように、スープに蓋をするくらいの量を使用します。

具材

匡仁さん曰く「今ではげんこつ屋を知らない人の方が多いと思っております。そんな方々にも味わってもらいたいですし、古くからげんこつ屋を知る方々にも来ていただき、”あ~懐かしい、これこれ”と言ってもらえると、天国の親父もきっと喜んでくれると思います」とのこと。

波乱万丈の人生を歩いてきた関川親子。そんな中でも関川さんが命を吹き込んで作ったラーメンは、息子である二代目の匡仁さんによって連綿と受け継がれています。理屈ではなくそこには想いと愛が溢れています。

『新横浜ラーメン博物館』の情報

住所:横浜市港北区新横浜2-14-21
交通:JR東海道新幹線・JR横浜線の新横浜駅から徒歩5分、横浜市営地下鉄の新横浜駅8番出口から徒歩1分
営業時間:平日11時~21時、土日祝10時半~21時
休館日:年末年始(12月31日、1月1日)
入場料:当日入場券大人380円、小・中・高校生・シニア(60歳以上)100円、小学生未満は無料
※障害者手帳をお持ちの方と、同数の付き添いの方は無料
入場フリーパス「6ヶ月パス」500円、「年間パス」800円

※協力:新横浜ラーメン博物館
https://www.raumen.co.jp/

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おとなの週末Web編集部
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