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藻塩で際立つ麺とスープのすごさ

お店の看板商品で一番人気の「鰹昆布水 のどごし生麺」(1300円)は、国産全粒粉入りの平打ち麺と魚介醤油ベースのつけ汁で味わうつけ麺です。麺は、最高級品といわれる鹿児島産本枯れ節と北海道産羅臼昆布でとった澄んだスープに浸った状態で供され、その艶やかさは唸るほどの美しさ。

鰹昆布水 のどごし生麺 1300円(写真は大盛り+150円) まずはこのまま食べるのがおすすめ
本枯れ節と昆布の旨みが抽出された澄んだスープも秀逸

先ずは、出汁をまとった麺だけをそのまま口にすると、つるんと滑らかな喉越しに感動!ラーメンの麺とひとくくりにはできない“綺麗な味”に、このままずっと食べ進めてしまいそう。出汁は鰹の風味がふんわり香り、昆布のまろやかな旨みが麺をコーティングしているかのようです。スープに浸っている麺を初めて食べましたが、みずみずしくて時間が経っても箸ですくいやすかったです。

阿蘇の天然水と熊本産「ミナミノカオリ」など5種類の小麦をブレンドしている平打ち麺は、魚介に合わせることの多いイタリアのパスタ・リングイネのように絶妙な厚みと食感で、テーブルにある藻塩をつけたときに爆発的なおいしさを発揮します。

ホンダワラなどの海藻由来でできる「藻塩」が鰹昆布水と麺のおいしさをさらに際立たせます

つけ汁は、凝縮した魚介と醤油の風味が立つすっきりとした後味で、冷製だからか蕎麦と辛口の蕎麦つゆのような関係に似ています。濃厚で甘めのつけ汁が苦手という方も、ここのつけ汁を食べれば概念が変わるかもしれません。すだちや、鰹昆布水と合わせるなど、オススメの食べ方もわかりやすく書かれた案内もあり、味変ができるのもポイントです。並は200g、大盛は300g(+150円)と食べ応えもあり、冬季は温かいつけ汁に変わるそうです。

メニューは、ほかに中太麺か極細麺が選べる中華そば(1200円)と太麺を使用した『罪なき二郎』(1500円)の2種類あります。中華そばは、豚の背ガラやゲンコツ、香味野菜でとったスープを使用した魚介醤油ベースのややがっつり系。丸みのある中太麺は、モチッとした弾力でコクのあるスープがよく絡みつきます。昔ながらのあっさり醤油が好きな方でも食べやすく、どこか懐かしさを感じるおいしさです。

中華そば 1200円 中太麺にスープがよくからみ、食べ応えのあるメンマや焼豚がアクセントに

麺によって全く異なる旨さを楽しめるのは、“麺のプロ”でなければ実現できない大きな強みだと他店との大きな差別化を実感しました。焼き豚丼(580円)やおつまみ、アルコールもあるので、がっつり食べたい時も、ちょい飲みの〆にも、満足できる一杯が見つかりそうです。

『富喜製麺研究所 六本木店』

【住所】東京都港区六本木3-13-10
【営業時間】11時〜16時/17時〜6時(5時半LO)※スープ、麺が無くなり次第終了
【休日】なし
【電話】03-6447-1140
【交通】都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅から徒歩3分
【席数】カウンター、テーブル席合わせて17席
※食券購入/支払いは現金、カード(VISA・Master・JCB・ダイナース・AMEX)

文・写真/大島あずさ

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