制限時間の中で“取捨選択”を的確に行うやり方
制限時間の中で的確に問題を取捨選択し、解答数を最大化するために、私が子供たちに推奨しているのは以下のようなやり方です。
(1) 最後まで問題をざっと見て、以下のことをおおまかに把握します。
- どの分野の問題(「速さの問題」「濃度の問題」など)が出ているか
- 各問どの程度の分量か
- 時間がかかりそうかどうか(見た目の雰囲気で結構です)
- 解けそうかどうか(見た目の雰囲気で結構です)
ただし、実際に解いてみないと分からないので、この段階ではなるべく時間をかけないようにします。おおよそ10~15秒以内です。全体を把握して「解き漏れ」を防ぐとともに、取り組む順番を考えます。
(2) 出来るだけ簡単で、短時間で解けそうな問題から取り組みます。普通は大問1や大問2がそうなっています。
(3) 少しでも引っかかったり(「引っかかる」=スムーズに解けない)、解けそうでも時間がかかりそうなら、次の解きやすそうな問題に移ります。設問の並びの順ではなく、自分が解きやすそうな問題の順に解くのがポイントです。
(4) すぐに解ける問題だけ解き進め、できるだけ早くすべての問題に当たります。
(5) すべての問題を通ったら、残り時間の中で、残った問題の中でどれから解くかを考えます。後は(3)以降を繰り返します。
このようにすれば、ほとんどの場合は、制限時間内で自分が解ける問題を最大限解くことが出来ます。
「検算」でミス防止
ミスを防ぐには、まず「ミスは大きな失点につながる」という意識を強く持つことです。意識するかしないかだけでミスをする割合は変わってきます。
また、ミスを防止するには、基本的ですが、「確認」を習慣づけることです。漢字の問題では「止め」や「払い」に気を付けること、計算では検算をすること、などです。
ミスで多いのは設問の読み違いですが、それを防ぐには、文章を鉛筆でなぞりながら、重要なところにはアンダーラインを引いたり、四角や丸で囲んだりすることです。特に算数の問題で、答えるべきものを間違って答えるミスは、何を答えるべきかを述べた箇所にアンダーラインを引くようにしましょう。ミスの多い生徒は、ほぼ間違いなく、そのような基本的なことが習慣づいていません。
受験まではまだ時間があります。「守備力」を鍛えることで合格の可能性を高められることを理解して、ぜひその強化に取り組んでいただきたいと思います。
圓岡太治(まるおか・たいじ)
三井能力開発研究所代表取締役。鹿児島県生まれ。小学5年の夏休みに塾に入り、周囲に流される形で中学受験。「今が一番脳が発達する時期だから、今のうちに勉強しておけよ!」という先生の言葉に踊らされ、毎晩夜中の2時、3時まで猛勉強。視力が1.5から0.8に急低下するのに反比例して成績は上昇。私立中高一貫校のラ・サール学園に入学、東京大学理科I類に現役合格。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。大学在学中にアルバイト先の塾長が、成績不振の生徒たちの成績を驚異的に伸ばし、医学部や東大などの難関校に合格させるのを目の当たりにし、将来教育事業を行うことを志す。大学院修了後、シンクタンク勤務を経て独立。個別指導塾を設立し、小中高生の学習指導を開始。落ちこぼれから難関校受験生まで、指導歴20年以上。「どこよりも結果を出す」をモットーに、成績不振の生徒の成績を短期間で上げることに情熱を燃やし、学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて難関大学に現役合格した実話「ビリギャル」並みの成果を連発。小中高生を勉強の苦しみから解放すべく、従来にない切り口での学習法教授に奮闘中。