日本の酒造りを牽引してきた酒蔵が揃い踏み
延宝3(1675)年から酒蔵を営んできた「白牡丹」、大正時代に酒造技術者の教育養成機関に指定されたことから「西條酒造学校」とも呼ばれて、全国から集まった杜氏に惜しみなく技術を伝えた「福美人」、昭和40年代から純米酒を発売し、純米醸造のパイオニアとして知られる「賀茂泉」など、西条の蔵は時代時代で、酒造りを支えてきた。
そんな歴史を思い浮かべながら、ほろ酔い気分で歩く心地よさ。造り手の顔が見えるようなアットフォームな酒蔵が多く、「亀齢」ではお酒のあてになるつまみや器、お酒が練りこまれたうどんなども販売され、買い物も楽しめる。
“お酒喫茶”からスイーツまで酒蔵グルメも楽しめる
広島県の醸造試験場だった洋館を「賀茂泉」が改装したカフェ『酒泉館』、「賀茂鶴」が運営する日本酒ダイニング『仏蘭西屋』など酒蔵が経営するレストランも多い。ランチには「山陽鶴」の奥にある『割烹 しんすけ』へ。
利き酒しつつ食べたかったから、くらいの軽い気持ちで選んだのだが、これまた秀逸。八寸やお造りなどを盛り込んだお重に天ぷらや茶わん蒸しがついた三段重弁当は1980円。
白飯ではなく、にぎり5貫やちらしずし、海鮮丼などを選ぶと2530円。蔵を改造した空間もここちよく、個室もあり。あまりの快適さに盃もついつい進む。