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味わいに生命力や深み、余韻…一色産

池「俺も浜松、東京、千葉と食べ歩いてみて、やっぱうなぎは“もの”と“仕事”によって味わいが違うと実感した。“もの”の良さは『うな正』の共水うなぎと、ザ・ベスト『高瀬』の生産者にこだわる“健康なうなぎ”。

それと別角度で『鰻家』の一色産6年もの。前のふたつはきれいな水と自然な餌(抗生剤など薬剤を使わない)でストレスを与えずゆったり育てているから脂も味もきれい。澱みなくうなぎを感じられる。後者は味わいに生命力や深み、余韻がある」

『鰻家(うなぎや)』うな重 特上 7150円

『鰻家(うなぎや)』うな重 特上 7150円 見た瞬間に旨そうな黄金色の焼き上がり。どちらかといえばさらりとしたタレも塩梅よく、うなぎ自体の旨さを引き立てる。「特上」はお重からはみ出んばかり。「特」は4950円で味わえる

菜「6年ものってすごい」

池「でしょ?若いうなぎ(新仔)は皮が柔らかく小骨も細い。対して1年以上経過したうなぎ(ヒネ仔)は皮も硬く小骨も太くなる傾向があるんだけど、やっぱ特筆すべきはこの道70年の店主の焼きな訳よ。白焼きで何度も返しながら小骨を焼き切るようにしてとろとろにしちゃう。焼き一生というけどスゲー」

肥「小骨が気になる店ってあるよね。『安川』の店主は丁寧に毛抜きで取るそう。町場の店だからお客に子供も多いし、1回でも小骨が喉に刺さったらトラウマになるじゃん。おいしさのためはもちろん、小骨でうなぎ嫌いになってほしくないんだって」

武「素材の吟味、蒸し&焼き加減、タレの濃さ、ご飯とのバランス……各店とも考え方や手法が違うので、改めて今回の特集は自分のベストを見つける参考になるかと。比べて活用してほしいですね」

肥「私は肉厚&中まで熱々ふかふかで何というか勢いのある仕上がりが好み。希少な青うなぎを割きたてで提供する『流木』が近い」

『町田 うなぎ 流木』上うな重(肝吸い・香の物付き) 6300円

『町田 うなぎ 流木』上うな重(肝吸い・香の物付き) 6300円 上質な脂とクセのない身は厚くてふっくら。コク深いタレが食欲をそそる。タレは米にかける飯ダレと肝焼き用とそれぞれ違う調合を使い分けるそう。米は青森の農家直送

武「僕は蒸しやや長め、焼きはしっかり、タレはほんのり甘めが好き。が、岡山で食べたシャコうなぎは白焼きが美味でした。肉厚で脂も乗っていて、旨み、甘みが養殖とはひと味違う。たっぷりのわさびと食べれば鮮烈さで甘みが際立ち、大ぶりな1尾もあれよあれよという間に無くなって。地酒と合わせれば感動の旨さでしたよ」

菜「うん、シャコうなぎは味がものすっっごく濃かった!関東風とは味も食感も別物。でもこれを蒸しの入った関東風で食べたいとも思っちゃった。岡山の漁師さんのところで買い付けて、そのまま新幹線でトンボ帰りして、どこかの店で関東風に仕立ててもらうってことをしてみたい」

池「俺は浜松取材だったから関東風と関西風の境目ということもあってそこにも注目して食べていたんだけど。その中でも『鰻丸』の地焼きはレベルが飛び抜けてて驚いた。適度に脂が落ちてこんがりした外側はサクサクサクの食感。中はとろり。関東風とはまるで違う世界観だけどウメー!また行きたい」

菜「地方だと値段もぐっと下がるし、うなぎ目当て&観光の旅は大いにアリだよね」

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おとなの週末Web編集部
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