取材で聞いた現代うなぎの豆知識
【豆知識1】雄が9割以上だが雌化が進む!?
養殖で飼育したうなぎは9割以上が雄になるといわれる。雄は成長すると皮や身が硬くなるため、早い段階で出荷されることが多い。
ところが技術開発により、うなぎの稚魚のシラスウナギに大豆イソフラボンを混ぜた餌を与えると、飼育期間の長さもあるが、そのほとんどが雌になるのだそう。雌は雄に比べて大きく、身質も柔らかくておいしいとか。
【豆知識2】山椒は身とご飯の間にかけるべし
山椒の使い方。ある店主によると「うなぎに山椒を直接振りかけるのではなく、身を持ち上げ、ご飯との間にハラリと振る」のがおいしく味わうコツだそう。つまり直接だと山椒が舌にダイレクトに当たるため、うなぎの味がわかりにくくなるからでは?もともと山椒は臭み消しだった訳だし、今の養殖うなぎはクセがほとんどない。山椒ナシもおすすめ。
【豆知識3】天然のおいしさは生育地と餌次第!
天然うなぎは(そのうなぎが育った)川の風味を楽しむ心持ちで味わうのがいいとのこと(『しま村』会長)。天然は獲れる場所や餌等が味に大きく影響する。
川独特の風味まで楽しみたい人は天然を、クセが苦手という人は養殖がいいのでは。ただし天然はきちんとした仕入れの店で食べること。何を食べて育ったかわからないモノはおいしくないことも。
【豆知識4】天然の旬は秋から養殖は今が旬!
土用の丑の日があるため、うなぎの旬は夏と思われがち。けれど天然でいえば本来の旬は9~10月頃から初冬だ。12月頃からの冬眠に備えてしっかり栄養を蓄えるこの時期は身に脂が乗って一番おいしくなるという。天然を食べるなら秋冬を狙うべし。一方、養殖は夏の需要増に合わせて飼育されているので、皮も身も柔らかい6~8月頃が旬。今です!
撮影/小島昇(神楽、 魚魚一 )、貝塚隆(はし本)、西崎進也(鰻家、流木)、文/肥田木奈々
※2024年8月号発売時点の情報です。
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