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御陵は「十樂院上陵」

京都市東山区粟田口三条坊町には、門跡寺院(もんぜきじいん)である「青蓮院(しょうれんいん)」や「知恩院(ちおんいん)」がある。ちなみに「門跡寺院」とは、旧皇族や公家が住職を務める特定の寺院のことだ。その一角に花園天皇の御陵「十樂院上陵(じゅうらくいんのうえのみささぎ)」はある。

陵形は「円丘」であるが、普段は門が閉ざされており中を伺いしることはできない。道路から石段を登ると、門前にある陵銘板(りょうめいばん)まで近寄ることができる。

花園天皇、十樂院上陵(じゅうらくいんのうえのみささぎ)=2008(平成20)年11月23日、京都市東山区
近隣にある門跡寺院「青蓮院(しょうれんいん)」の門主(住職)は、香淳皇后の実弟で東伏見家出身の東伏見慈晃氏が務める=2008(平成20)年11月23日、京都市東山区

「陵印」は、どこで押せる?

花園天皇陵を管轄するのは、京都市東山区にある「御寺泉涌寺(みてらせんにゅうじ)」に隣接する月輪陵墓監区事務所(京都市東山区)であり、陵印はこの事務所で押印することができる。この事務所には、花園天皇のほかにも第38代・天智天皇など全部で18種の陵印が備え付けられている。

どの監区事務所もそうだが、押印の対応は平日の開庁時間内となり、土日祝日は閉庁日となっている。ただ、運がよければ当直の職員にお願いして押印することも可能だが、巡回などで不在の場合もあるので、時間に余裕をもって参拝したいところだ。

陵印には、右側から縦に「花園天皇十樂院上陵」と彫られている=2005(平成17)年11月25日、月輪陵墓管区事務所においてみずから押す(京都市東山区)

文・写真/工藤直通

くどう・なおみち。日本地方新聞協会皇室担当写真記者。1970年、東京都生まれ。10歳から始めた鉄道写真をきっかけに、中学生の頃より特別列車(お召列車)の撮影を通じて皇室に関心をもつようになる。高校在学中から出版業に携わり、以降、乗り物を通じた皇室取材を重ねる。著書に「天皇陛下と皇族方と乗り物と」(講談社ビーシー/講談社)、「天皇陛下と鉄道」(交通新聞社)など。

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