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斬新なデザイン

初代CR-Xはデザインでも話題になった。特にリアエンドをスパッと切り落としたデザインはスポーティ。イタリア語でコーダトロンカと呼ばれるデザインで、リアから見た時が最もカッコいい。

フロントマスクで特徴的だったのはセミリトラクタブルヘッドライト。ちなみに初代CR-X、2代目バラードはこのセミリトラクタブルを採用していたが、シビック系には採用せず差別化されていた。

このセミリトラクタブルヘッドライトは、ヘッドライト自体は固定されていて、カバーのみが動くタイプ。カバーを競り上げたところで何も印象が変わらないシロモノだったが、このセミリトラクタブルヘッドライトがある時を境に話題となるのだ。これについては後述する。

リアエンドをスパッと切り落としたコーダトロンカがスパルタン

2人のための優れた空間

ショートボディに超ショートホイールベースの初代CR-Xの乗車定員は2+2の4名だったが、リアシートは小さな子どもなら問題ないがあくまでもエマージェンシー用または荷物を置くためのスペースと言った感じ。大学時代に友人の所有する初代CR-Xのリアシートによく乗せてもらっていたが、ドライブ中は苦行と呼ぶにふさわしい居住性だった。当時座敷牢と呼んでいたくらい厳しいものだった。学生じゃなきゃ乗ることはなかったと思う。

前席2名用と割り切ったコンセプトゆえ、前席のスペースは広い

初代CR-Xのキャッチフレーズは『デュエット・クルーザー』。つまりホンダとしては4人が乗ることなんて考えてないわけだ。4人が快適にドライブしたければ、バラードなりシビックをどうぞ、という割り切ったスタンス。2人が快適に過ごせる空間に特化したことで運転席、助手席の空間は広々としていた。

トランクも2人分の荷物を積むには充分な容量だった

ホンダのスポーツモデル

初代CR-Xと言えば、ホンダのFFスポーツハッチバック、つまりライトウェイトFFスポーツやホットハッチというイメージが強いと思う。筆者もそれについて異論はない。860㎏という今のクルマでは考えられない軽量ボディによる動力性能、街中、ワインディングなど走る場所を問わずキビキビとしたハンドリングはスポーティだった。

筆者は1966年に生まれた。初代CR-Xが登場した時は17歳ということで高校2年生。クルマに興味を持ち始めたころだ。当時のホンダのイメージとしてはシビックくらいしか浮かばないレベル。

S500、S600、S800という一連のホンダの『Sシリーズ』の栄光を知らない筆者は、F1での活躍も実感ないし、2輪車にも乗っていなかったからホンダエンジンの気持ちよさも知らない。つまりホンダにスポーツイメージはまったくなかった。そんな筆者にとって初代CR-Xはホンダ初のスポーツモデルという印象が強いのだ。

デジタルメーターもオプションで選択することができた

空力を追求

ライトウェイトFFスポーツの初代CR-Xは、ホンダとして画期的なチャレンジがいろいろ盛り込まれている。他メーカーに先駆けてフラッシュサーフェイス化に挑んだことはその最たるもの。

フラッシュサーフェイス化というのは、ボディに段差をなくし空力をよくすることで動力性能、静粛性、燃費など多岐にわたり性能を向上させるのが狙いだ。

初代CR-Xでは、フラッシュマウント接着ガラスの採用によりウィンドウ類とボディの段差はわずか3mm!! と当時最高レベルの技術を投入。さらにドアハンドルも段差のないインテグラルドアハンドルを採用するなど空力追求を徹底している。

ウィンドウ類とボディの段差はわずか3mm!! 空力を考慮した段差のないインテグラルドアハンドルを採用

エクステリアではバンパー一体のエアロスカートの採用(最上級モデルの1.5iにはロアスカート装着)、コーダトロンカのリアエンドは見た目のスポーティさだけでなく、ダウンフォースを生むクラウチングヒップ形状としているのもポイントだ。

このエアロダイナミクスの追求は、燃費性能を大幅に向上させている。走りが気持ちいいだけでなく燃費もいい。これぞホンダのスポーツモデルの流儀だ。

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DOHC投入で大人気!!...
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この記事のライター

市原 信幸
市原 信幸

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